内容説明
信仰者の不条理な苦しみにはいかなる意義があるのか?受難のキリストはいかにして救済の根拠となりうるのか?宗教を巡る争いの歴史が伝えるものは何か?聖書の重要な主題であり、キリスト教神学の中心的課題である“苦難と救済”について多角的に探求した、東北学院大学での講演録を含む学際的な研究論集。苦しみの神学的意義に迫る11の洞察。
目次
第1部 旧約聖書における苦難の意義―詩編、ヨブ記(詩編二二編における苦難と救済;ヨブ記における苦難と問い)
第2部 新約聖書における苦難の意義―マルコ、パウロ、第一ペトロ書(福音書における苦難の義人―マルコ福音書の受難物語を中心に;パウロにおける苦しみとその克服;パウロの「十字架の神学」から見た苦難の問題;模範としてのキリストの苦しみ―第一ペトロ書における苦難の意義)
第3部 カルヴァンとキルケゴールにおける苦難の意義―闇の後に光あり(私を見捨てた神を呼ぶ―苦難を問うジャン・カルヴァンの祈り;苦難の学舎で神の愛を習う―キルケゴール、苦難を通して神と親しむ;闇の後に光あり(post tenebrans lux))
第4部 カルヴァンと苦難の歴史―戦争と平和を見据えて(カルヴァンにおける戦争と平和;「殺戮時代」の後期カベナンター(契約派)に見る“苦難と救済”―一七世紀スコットランドの「契約」における霊的独立の戦い)
著者等紹介
野村信[ノムラシン]
1954年生まれ。東京神学大学大学院卒業、ウェスタン神学大学大学院卒業。現在、東北学院大学文学部教授。アジア・カルヴァン学会日本支部代表
吉田新[ヨシダシン]
1978年静岡県生まれ。2005年立教大学大学院博士前期課程修了。2010年ハイデルベルク大学にて神学博士号(Dr.theol.)取得。現在、東北学院大学文学部総合人文学科准教授。専攻:新約聖書学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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