内容説明
旧約聖書『雅歌』をミンネザング(中世宮廷恋愛歌)の響きと表現を交えながら、花婿である神と花嫁である魂の合一を美しい詩的散文で、イメージ豊かに描いた『神性の流れる光』。アレマン語からの初の全訳。
感想・レビュー
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evifrei
19
キリスト教神秘主義思想は女性の神秘主義思想家の登場によって閉鎖的なものとなったという問題点は事実として存在しているものの、やはり彼女らの叙述によって独自性を高め一つの思想的な完成形へと導いたという点は動かし難い様に思う。メヒティルトはエックハルトを先取りした神秘主義思想家でありながらも合理主義的な視点をも持ち合わせていたが、幻視的なヴィジョンにより書かれた本著はまるで彼女の魂そのものが執筆したかのような人間離れした風情をも漂わせている。4の2巻は未刊だが、ビンゲンのヒルデガルド。何とも楽しみだ。2020/08/26