内容説明
ヘブライ語正典の「諸書」に集められている「詩篇」以下「歴代誌」にいたる文字通りの諸書を旧約正典の順序に従ってこの巻に訳出した。「エズラ記」「ネヘミヤ記」「歴代誌」のような広い意味での歴史書も含まれているが、「諸書」には文学的作品が多い、と言えるであろう。しかし「雅歌」などは一番純粋な文学だと見うる、としても、他は「詩篇」「哀歌」のような宗教的文学であり、「筬言」などはいわゆる知恵文学に属し、「ヨブ記」などは知恵文学を背景としながら、義人の苦難を問題にした深遠な思想詩である。「ルツ記」や「エステル記」は文学的小品であり、「ダニエル書」は後代の黙示文字という具合で、諸種の広義の文学的作品がこのように広く集められ、よく読めばみな興味津々たるものである。
目次
詩篇
ヨブ記
箴言
感想・レビュー
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yuui02
2
雅歌は恋歌(異教色がある)コーヘレトはペシミズム、エステル記はシンデレラストーリー。旧約聖書というとトーラーが有名で、モーセくらいしか知りませんでしたが、こうやって読んでみるとなかなかバラエティに富んでいます。ヤハウェによりエジプトから連れ出されて、カナン人を聖絶してイスラエルを建国、その後預言者のいうことをきかず王を立て、南北に分裂。イスラエルの指導者、民は異教の神を崇めることをやめず、神の怒りにより遣わされたアッシリア、バビロニアにより北イスラエルが先に滅び、そのあと南ユダも滅ぶ。2016/01/28