内容説明
キリシタンの信仰教育の中核を担ったのは、16世紀スペイン人神学者ルイス・デ・グラナダの著作であった。『ぎやどぺかどる』に代表される信心書は、キリシタン時代の日本人にどのように読まれ、キリスト教の受容にどのように貢献したのか?日本においてキリシタン文学が成立する過程に生じた異文化間の共鳴・断絶・受容・変容を実証的研究によって明らかにする。
目次
第1部 ルイス・デ・グラナダ―生涯、および著作とその受容(十六世紀スペインにおけるルイスの著作;宣教地に流布したルイスの著作)
第2部 日本で支持された理由―ルイス原典の文体・構造・思想上の特質から(説教本としてのルイスの著作;キリシタン文学における修徳思想―ルイス原典における「徳」の概念の反映として)
第3部 キリシタン文学における異言語・異文化接触―神と人の関係性をめぐる共鳴そして断絶(キリシタン教義における応報の問題―浄土真宗における「自力」「他力」との教義的交差を契機として;キリシタン文学における「報謝」の概念―日本人の神とキリストの理解をめぐって;キリシタン文学における「自然(じねん)」)
著者等紹介
折井善果[オリイヨシミ]
2006年東京大学大学院総合文化研究科にて博士課程修了(博士)。現在日本大学商学部専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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