内容説明
アウグスティヌスが執筆に約15年を費やした大著にして、後世に多大なる思想史的影響を与えた古典的名著の全訳。下巻(第14巻‐第22巻)では、聖書における人類の歩みを鳥瞰し、その歴史を導く神の救済のわざを説く。肉の支配する「神の国」と霊の支配する「地の国」の起源・発展・終極についての考察がなされ、歴史の全体に統一と秩序を与える「歴史の神学」がダイナミックに展開される。
目次
人類にとって第二の死は必然であるか
「肉に従って生きる」とは何か
罪の原因は肉ではなく霊魂の中にある
神に従って生きるとはどういう意味か
プラトン派の霊魂・身体観
意志が情念の源である
聖書において愛を意味する用語
ストア派による賢者の情念について
聖徒たちの正しい情念
罪を犯す前の最初の人間の情念〔ほか〕
著者等紹介
泉治典[イズミハルノリ]
1928年生まれ。東京都立大学大学院博士課程修了(哲学専攻)。東洋大学名誉教授。2011年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yuui02
3
キリスト教的直線的歴史観とギリシア的円環型歴史観というのがおもしろかった。信仰とギリシア的な知を統合しているアウグスティヌス。キリスト教はアダムが罪を犯してから週末に至るまでの直線的な歴史観なのだそうです。神は世界を創造しはじめから世界におこるすべてを決めている。しかし自由意思はある。アダムは自由意思により罪を犯した。しかしその意思さえも神の計画にはいっていると・・。神は不変だけど人やこの世が可変なのは神が「無」からつくったからだとか。欧米のベースにこの予定説があるんだろうなぁと思いました。2014/06/27