内容説明
ヨーロッパ文化の基礎を築き、「最初の近代人」「西洋の教師」と評される偉大な思想家アウグスティヌス。彼が幼少期・青年期から、哲学への目覚め、マニ教への傾倒、キリスト教への回心、母の死に至るまで、自らの半生を克明に綴った魂の遍歴。人間存在に深く潜む神へのあこがれを探求した名著であり、世界屈指の自伝文学作品が、最新の研究成果に基づく原典からの翻訳で現代に甦る。
目次
幼少年時代(〇‐一五歳)の回顧と告白
青年時代(一六歳)の回顧と告白
青年時代(一六‐一九歳)の回顧と告白
青年時代(一九‐二八歳)の回顧と告白
青年時代(二九歳)の回顧と告白
青年時代(三〇歳)の回顧と告白
壮年時代(三一歳)の回顧と告白
壮年時代(三二歳)の回顧と告白
ミラノにおける洗礼とオスティアでの母モニカの死―三八六‐三八七年
現在の告白、記憶の問題、誘惑の問題
神による創造と時間の問題
聖書の神による創造に関する記述(創世記一章一‐二節)の解釈
創世記にある創造物語の比喩的解釈
著者等紹介
宮谷宣史[ミヤタニヨシチカ]
1936年、大分市に生まれる。1964年、青山学院大学大学院文学研究科修了。1970‐73年、ドイツ・ハイデルベルク大学に留学、同博士課程修了。Dr.theol.(神学博士)。その他、チューリヒ大学、ラテラノ大学、ストラスブール大学に留学。関西学院大学、同志社大学、京都大学、ベルン大学、チューリヒ大学などで講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
12
1968年山田晶訳以来40年ぶりの新訳で、本邦13回目の翻訳だそうです。因みに本書は13章立てで、13回目というのには、偶然にしても訳者は感慨ひとしおではないでしょうか。韻文の箇所を自由詩の様に隙間を空けて読み易くしているため、案外簡単に通読出来ます。本書を通じて『あなた』と語りかけているのは読者ではありません。告白する相手はキリスト教の神であり、それは信仰の告白です。興味深いのは、回心であり、かつ改心だということです。あらすじは明快です。若い頃にヤンチャをしていたアウグスティヌスが、キリスト教の信仰心と2017/11/09
yuui02
2
青年期に新プラトン主義やマニ教に影響を受けているアウグスティヌス(その後マニ教批判している)知と信仰の両立、融合。2014/04/30