内容説明
「われわれは元気で避難所にいる。33人」地下700メートルから届いたメッセージに世界が驚愕した。生存率わずか2%。鉱山の崩落事故で地中に閉じ込められた男たちの団結と忍耐の69日間のドラマ。技術を駆使した救出作業、大統領の思惑、家族の絆…。現場への立ち入りを許されたほんの一握りの取材陣だけが知ることのできる隠された真実が今、明かされる。
目次
世界の視線
生き埋め
必死の捜索
地獄に捕らわれて
速さvs正確さ
17日間の沈黙
鉱山の底の幸運
生還への緩慢な歩み
マラソン
テレビのリアリティ〔ほか〕
著者等紹介
フランクリン,ジョナサン[フランクリン,ジョナサン][Franklin,Jonathan]
チリ在住15年の米国人ジャーナリスト。英国ガーディアン紙の南米特派員を務め、受賞歴もある。特集記事はGQ、エスクワイア、プレイボーイ誌などで頻繁に掲載されている。また、彼の調査報告はABC、CBS、A&E、BBCなど世界中のドキュメンタリー番組で使用されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケルトリ
4
地下で過ごした33人が直面した絶望・希望・極限化の心理状態。それらがしっかりと記されていて、とても読みごたえがあった。そして脱出した後の彼らに対するマスコミの執拗な取材合戦――まったくマスコミというのが度し難い……2020/02/15
星空の挑戦者
4
全世界が一つとなってチリを応援した感動的実話。生存を知らせる17日目までの話が面白かった。2011/09/17
みけねこ
2
読んでるだけでも閉塞感を感じる。この33人は強い。もし自分だったら……と考えてみるけど、そもそも山の中に入れるような人間ではない。ただでさえ集団が苦手な上に、閉所も暗所も怖いのに、暑くて湿度が高い場所なんて地獄。また働きたいと思う気持ちや69日間も耐え抜いた精神は、尊敬でしかない。日本企業がたくさん支援に回っていて、なんだか嬉しくなった。2023/08/11
yuka_tetsuya
1
ニュースを見て知っているつもりであったが、救出までには数々の偶然と、団結、勇気、善意があったことがよく分かった。素晴らしいドキュメンタリーである。発見までの17日とそれから救出されるまでの日々の遭難者の心理の変化に読み応えがあった。大統領がすばやく各国にSOSを発したこととそれに応じた世界的な応援そして、生中継による情報発信など現代の災害を克服するヒントがちりばめられている。そこに日本の最先端の技術が貢献したことを誇りに思う。2011/04/30
アーク
0
チリの鉱山落盤事故は言うまでもなく大事故かつその救出劇は感動的だった。チリのジャーナリストの手による本書はその様子を綴っているけれど、原文からなのか翻訳によるものなのか、表現が薄味に感じられた。既に報道されている事実を淡々と綴っているだけでカタルシスが感じられないんだよな。もう少し詳しくその内容を綴って欲しかったところだな。2015/05/01