内容説明
隆盛を誇った大帝国は、ヨーロッパの軍事力・経済力に次第に圧倒され、20世紀初頭にはイスラーム世界全体が直接・間接にヨーロッパの支配下におかれるようになる。植民地主義からの解放をめざす運動は、イスラーム復興運動を呼び覚まし、さらに旧体制打倒を目指すジハードや独立闘争となって発展していく。西洋社会との邂逅は、イスラームに近代化を迫る一方で、そのグローバル化を一層促進した。イスラーム史上最大の変動と危機と改革の時代を追う。
目次
復興と改革の基盤―十八世紀から十九世紀にかけてのイスラーム運動(中心的諸大国における改革と復興;イスラーム世界辺境の復興運動 ほか)
ヨーロッパ植民地主義と近代イスラーム国家の誕生(近代イスラーム世界の形成―植民地主義と国境線;現代イスラーム国家と植民地主義のイデオロギー的遺産 ほか)
イスラームのグローバル化―欧米に復活するイスラーム(イスラームと西洋の邂逅;欧米のムスリム共同体 ほか)
現代のイスラーム―改革か革命か(イスラーム、ヨーロッパ植民地主義、現代性―復興と改革;近代主義者の反応―イスラーム近代主義の限界と遺産 ほか)
著者等紹介
エスポジト,ジョン・L.[エスポジト,ジョンL.][Esposito,John L.]
ジョージタウン大学のCenter for Muslim‐Christian Understandingの創立理事、宗教・国際問題の教授。Oxford Encyclopedia of the Modern Islamic Worldの編集主幹
坂井定雄[サカイサダオ]
龍谷大学法学部名誉教授。元共同通信記者、ベイルート、ジュネーヴ支局長
小田切勝子[オダギリカツコ]
翻訳家。京都大学哲学科(仏教学専攻)卒業。鈴木主税氏の主宰する牧人舎に参加
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