内容説明
精神医療は誰のために、何のためにあるのか。原点を共に考える試み。精神医療ユーザーが実感する医療者との意識の隔たり―その間に落ちているものを互いの厚い体験で照らしながらすくいあげ、精神医療が抱える問題の本質を理解しようとする。社会で当たり前に生きていけるリカバリーへつなげたいという共通の思いが成立させた「対話」の場の記録。
目次
第1章 私たちの経験―自己紹介をかねて
第2章 「病識」は必要か
第3章 家族との関係
第4章 診断と見立て
第5章 強制入院と隔離
第6章 薬をめぐるギャップ
第7章 地域で生き抜く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かわうそ
70
★★★★☆良書。精神科医と今も精神的な病を抱えている患者との対話。なぜ政治家はこの人たちのようにまともな対話ができないのか?笑。やはり、日本でも効率を追い求めすぎて大切なことをしないでいる。何よりも患者の心に耳を傾けなければ何も始まらない。精神科においては薬を処方するだけで患者の話をまともに聞かず、抵抗したら縛りつけるといった行動までするという。その肉体的苦痛が精神病の再発をまねく原因にもなっている。他にも精神科の病棟のトイレはドアが外され、患者が安心して用を足せない。2016/11/11
Asakura Arata
1
対話は大事。今後、(精神科)医療において、患者さんの話が主流になって行くような気がする。やはり患者さんが主役であり、医療側は患者の応援団でしかないと思う。応援しているのに金とるのはどうなのかという話もあるが。 医者側で、5分間診療の限界とか言っている人がいたが、そこでどうにか患者さんが満足するように帳尻を合わせるのがプロだと思う。2018/09/15