出版社内容情報
《内容》 本書は神経発達学的治療(NDT)に治療原理をおき,上肢の操作機能の改善を援助するための治療技法を豊富なイラストで解説した実践書であり,米国の著者によって行われている実践的なワークショップの中から生まれてきた非常に具体的なテキストである.機能障害のレベルに関わりながらも,さらに治療の目標を予後の能力障害の改善と軽減へと向けた治療の考え方は,作業療法士独特の幅広いものであり,類書に見られない際立った特徴でもある.対象は作業療法士が中心ではあるが,米国でのワークショップと同様に,理学療法士や言語療法士にとっても,それぞれの治療技法に密接した実際的な情報が得られる参考書と言えるだろう. 《目次》 第1章 触れるということ 抑制と促通 キーポイント・オブ・コントロール 刺激の段階づけ 運動(患者自らが行う運動)による治療―ゆっくりした運動 圧縮と牽引による運動第2章 姿勢と運動における肩甲帯の役割について プロローグ 対称性の意義 姿勢の対称的な調整 一側性の姿勢調整 対角線的な姿勢調整 動的な座位第3章 水平方向へのリーチ活動の評価と治療 水平平面上における上肢の運動 上腕骨の水平外転/上腕骨の水平内転第4章 広い範囲でのリーチの分析と治療 頭上での腕の運動 上腕の屈曲/上腕の外転第5章 基礎的な手の機能と治療 機能の概観 前腕の回旋/手関節/手/リリース第6章 手指の操作性 はじめに 橈側-手指把握 三指握り つまみ 交互性の運動パターン 連続しておこる運動パターン 運動パターンの合成 付録A.上肢装具の最近の傾向 スプリントの種類/スプリント―実践を取り巻く論争/背側支持と掌側支持/小児のスプリント/適切な見方/ス プリント使用における基本原則/静的スプリント/半動的スプリント/動的スプリント付録B.上肢機能改善のためのキャスティング キャスティングのための指針/理論的解釈/一般的原則/キャスティングの原則/評価/キャスト実施時の監 視/効果に影響する因子/キャストの種類と選択/現実的な目標設定/予後管理のためのバイバルブ・キャス ティング/ポジショニング/キャスティングと神経発達学的治療法との関係/フェノール神経ブロック/手術/要 約/症例検討付録C.動的座位の運動学的分析 座位の際の骨盤/股関節屈曲筋/股関節伸展筋/ハムストリング/股関節の外転/股関節の内転/座位姿勢 における筋群の動的な相互作用