感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
9
明治5年、学制が発布される3年前に日本初の小学校を独自に誕生させたのは京都だった。中世以来の町組を再編した番組を学区に64の小学校が開校された。本書では番組小学校をルーツとする京都市内の小学校の建物の変遷が紹介される。開校当時の木造校舎は写真でしか紹介されないが、昭和初期のレトロな鉄筋校舎はいまも残されている。郊外への人口流出で閉校された学校、校地拡張や移転など校舎にまつわるエピソードも読みごたえがある。明倫小学校は京都芸術センターに、龍池小学校は京都国際マンガミュージアムになって、今も市民に愛される。2020/03/12
アメヲトコ
4
近代京都の地域コミュニティの核となっていた小学校建築について紹介した一冊。凝りに凝った細部意匠、独特の平面計画、折り上げ格天井付きの和室などなど、戦後の味も素っ気もない標準規格の小学校で学んだ私としては、こんな環境で学べた京都の子供が羨ましい限りです。今も残る鉄筋コンクリート校舎はともかく、木造校舎はさすがに絶滅しているかと思いきや、思いがけないところに移築されて健在だったりするのですね。2021/06/11
林芳
0
多くの写真や図、分かりやすく詳細に書かれている解説文。京都市の小学校の建物の歴史についての貴重な本になっている。装幀も凝っていて、保存版としての心意気も感じられる。明治の人たちの精神が今も活かされているといいんだけどなー。2022/06/21
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- 和書
- 継続するコツ