感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
36
2004年。京滋の地元紙である京都新聞記者が、事故を10年以上追跡したドキュメント。「優先テコ」の無断取り付けと、連絡のないまま、赤信号で出発した過失が招いた大惨事は、安全への基本を怠った、機械装置への依存がいかにおそろしい結果を招くかを物語る。「事故列車に乗る寸前だった」という知り合いがあったので、私にとっても人ごとではなく、交通の安全をひたすら祈りたい。2017/05/08
ふたば
5
事故には、いくつもの「たら・れば」がある。単線で、のどかに走る路線に、ある日突然想像もできないほどの乗客が押し寄せてくる。比べ物にならないほどの大企業との連携は、零細鉄道会社には、あまりに負担だったろう。大企業は、自分たちの企業論理だけで動き、零細側の負担を顧みることも、慮ることもない。JR西も、SKRもどちらもミスをした。しかし、そのミスの根源は異なっていると思う。経験したことのない事態に浮足立ったSKRと、自分たちの利益、都合を優先したJR西。「JRの電車だから」と信じた利用客は完全に裏切られた。2018/05/03
ゆう
1
どんな経緯でどのようにして事故が起こったのかに留まらず、JRと信楽高原鐵道のそれぞれにどのような過失があったのかやその背景が分かりやすく説明されている。 また、最終的にJR側が自社の非を認め直接遺族の前で謝罪するに至り、鉄道の安全推進に向けて一筋の光明を得るという希望に満ちたところで本の内容は終わる。 ただ、関西に住む個人の意見としては、この本が出版されたわずか1年後の2005年に同じJR西日本で福知山線脱線事故が起こったのが悔しくて仕方ない。もっと早くに謝罪して社内改革に動いていれば・・・2018/03/07




