出版社内容情報
エゴイズムという本性を免れない人間は、科学・技術といかに対峙すべきか
「ホモ・ロクエンス=コトバをもつヒト」としての人間は、科学というコトバを駆使し、神に成り代わるようにして自然を我がものとしてきた。しかし、そうした科学主義が生み出したのは核兵器と地球温暖化という取り返しのつかない矛盾の数々であった――
DNAの暴力的な支配に抗する〈利他〉の精神は、人類にとって一縷の希望となりえるか?
コトバと科学をめぐる壮大な哲学探究の旅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
林克也
2
「言語の本質」に続けて読んだ。おなじ「言葉」=「人類」がテーマだが、宇田川さんのこの本に強い刺激を受けた。 リチャード・ドーキンス、スティーヴン・ホーキング、杉山幸丸、福田恆存、井筒俊彦、丸山圭三郎、平井啓之、山川偉也・・・。ドーキンスとホーキング、福田訳の老人と海は読んだことがあるが、ここに名を挙げた他の人の著書も読まなければいけないという強迫観念に捕らわれてしまった。それはすなわち自分の残りの命との競争だ。時間がない・・・・。 2023/10/17
MSTR
0
「部分も大きさも 無い モノが、有る」かのようにつくろうバーチャルな事柄が、「ことば」を屈指した「点存在論」を背景にして、実存するかのように教え込まれる「科学的」だというもの。 ◇ はたしてそれは、「真理」の「証明」になり得るのだろうか。―― エピローグを先に読めば、各章の内容がフムフムと分かり易く、もう一度読み返したくなる。/逆に、「はじめに」は後で読んだ方がいいみたい。/『仏教は宇宙をどう見たか』と読み比べるのも面白いかも。2024/03/10