出版社内容情報
相次ぐ乱射事件にも、なぜアメリカは銃を手放せないのか?
人口を超える数の銃が出回り、毎日100人以上が銃で命を落とす世界に類を見ない銃大国で、いつまでも銃規制が進まない背景には何があるのか?
分断が進む社会で深刻化する銃問題と、それを通じて見えてくるアメリカの本質とは──
日本の「パートナー」の宿痾、その深すぎる闇に迫る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
62
【世界に類を見ない銃大国アメリカ。銃による死亡者は年間約4万人にのぼるのに、なぜ銃を手放せないのか?】国際ジャーナリストが、「銃がなければ自由も民主主義も守れない」と主張する銃所持派の意見も交え、アメリカの本質に迫った書。<銃所持の権利を認めた憲法修正第2条と、それを錦の御旗にして強硬なロビー活動を展開している全米ライフル協会が存在することに加え、米国が建国から大切にしている個人の自由と権利、民主主義、自衛意識などの基本的価値が銃の問題と密接に関係しており、銃規制を進める上で大きな妨げになっている>と。⇒2023/10/16
Apple
22
憲法修正第2条とNRAのため,銃規制を進めることができないという構造が,とても歯痒く感じました。銃乱射事件のみならず,子供の誤射事件もアメリカではとても多く,日本にいると想像しがたい事実だと思いました。市民が銃で武装しても,危険な人から身を守ることは現実的には難しく,むしろ命の危険を増すだけというのは,冷静に考えればその通りだと感じます。さらに白人至上主義や文化問題が関わっているというのもアメリカ特有だと感じました。最終章で若者が活動や投票によって状況を変えるのに重要な役割を持っていることがわかりました。2023/11/08
Akio Kudo
3
★★★★★ 200ページもないが、1000ページ以上の深みと重みを持つ。銃社会の狂気。年に4万人を殺害するガン社会の病理は考えさせられる2025/02/05
お抹茶
3
銃規制を巡り分裂するアメリカ社会を記す。2008年の連邦最高裁は「個人が銃を持つ権利は修正第2条によって保障されている」と判決を下し,全米ライフル協会(NRA)に強力なプロパガンダを与え,NRAは銃規制賛成派の議員を徹底的に落選させる運動を展開。トランプの政策と言動は白人至上主義者や極右勢力を動かし,乱射事件の遠因になっていると指摘。銃保持派は政府の権力濫用抑制に市民の武装が必要と訴え,銃が米国人の精神的な象徴の一部だと主張。銃規制だけでなく中絶など文化戦争による価値観の衝突も深刻で,暗澹となる。2023/08/20
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