内容説明
自閉症の原因を解明する新聞記者の白川由岐枝と精神科医の古谷信一郎は、国際的な組織の導きによって自閉症の真実を追究する医学者や宗教者に出会い、彼らから人間の認識の発達について理解を深めていく。同じく自閉症と早期教育の関係を追い続けるフリージャーナリストの椎名麻紀も、取材を進めていくうちに仏教思想「唯識」に到達する。古くから人類の叡知が警告し続けた真実を、ルソーの『エミール』とオスターデの絵、仏教の教えに見出す探究者たち。彼らはやがて、運命の糸によってつながれていく―。
著者等紹介
竹内願人[タケウチガンジン]
1950年生まれ。医学の世界に住して三十数年。医学論文、医学書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キムチ
25
上巻では自閉症の解明への道筋を絡ませる事件解決の展開。些か、我田引水?思いつつ読んだ下巻はまさかの宗教哲学本。風呂敷がどんどん広がって行く。終結は?・・のが終盤3割は仏教哲学、人生論、そしてエミールの解説となり、肩透かし。興福寺の阿修羅像の解説、大乗小乗仏教と往時の日本人が持つ歴史の流れと権力者のたくらみ等、唯識の解説へ連なって行く。自閉症の小説が?!願望と現実、この認識の歪みが種々の不幸な事件へ連なる事は理解できた。何度も随所に出てくる福島原発問題、でもそれは題名とは違うのではとはてなだらけで読了。2014/09/18
405 310
2
⊕ 《上》の最近増えてきた自閉症の発症原因を探るうちに大きな渦に巻き込まれて行く主人公の白川由岐枝。そして《下》へ~ 自閉症という症状と言うか、概念が違っているような気がしていたが… う"~ん。前半の自閉症はどこへ~… 原始仏教の教えに変わってしまった。 そして、事件はどこへ~。 結局のところ、現代版自閉症について語りたいのか仏教の教えについて言いたかったのか分からなくなっているような気がしてならない。2018/01/04
ともぞう☆
1
下巻は自分には難しかった。2024/09/08
杏
1
うーん、わざわざ「小説」って書いてあるんだけど、小説ならあるべき起承転結を途中から放棄していたような。半分ドキュメンタリー兼現状への告発色が強くなりすぎて、しかも訴えがしつこくてそれが正しかろうが間違ってようがちょっといっぱいって感じになった。なんなら後半は会話すらおざなりだったし… とりあえず最後までは読んだというだけ。2018/08/15
ワイルドストロベリー
1
自閉症と仏教との関連性があるらしいけど、何だか話が横道にそれていくようで、読んでて頭に入ってこない。自閉症児の症状が全て教え込みの結果というのは納得出来ず。それにしても、最後の絵はなんだ?会話も変❗いきなり陳腐になり唖然とする。2016/12/31




