内容説明
交錯する「被害」と「加害」―戦後日本の自意識を探る。日本人の戦争記憶を形成した“夏のテレビの戦争特番”「八月ジャーナリズム」は何を伝え、何を伝えなかったのか。もはや風物詩と揶揄される向きもある、毎年八月の戦争特番。戦後日本の戦争観や歴史認識を反映し、同時にそれらの形成にも影響に及ぼしてきた「八月ジャーナリズム」の歴史的展開とその功罪を検証し、今後の可能性と課題、展望を示す。
目次
序章 「八月ジャーナリズム」とテレビ
第1章 「八月ジャーナリズム」の形成:終戦~一九五〇年代
第2章 テレビ時代の「八月ジャーナリズム」:一九六〇~七〇年代
第3章 アジアからの眼差し、アジアへの視点:一九七〇年代
第4章 冷戦下の「反核・平和主義」と「加害」の前景化:一九八〇年代
第5章 「加害の語り」の時代:一九九〇年代
第6章 内向化する「八月ジャーナリズム」:〇〇年代~一〇年代
終章 「八月ジャーナリズム」の行方
著者等紹介
米倉律[ヨネクラリツ]
1968年愛媛県生まれ。日本大学法学部教授。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了後、NHK広島放送局、報道局ディレクター、NHK放送文化研究所主任研究員、日本大学法学部准教授などを経て、2019年から現職。専門は、映像ジャーナリズム論、メディア史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
8
すーーーーっごく良い本だ(研究だ)❗️ 日本の戦後のジャーナリズムは、基本的に日本・日本人の受難物語、平和希求の物語が重視され、もともと少ない加害の語りが近年ますます縮小し忘却されている。戦争体験者がゼロになる日は近い。どうやって継承し、アジア諸国との和解文化を育てていくか。2024/07/13
onepei
1
やはり加害ではなく、受難の枠組みというのは受け入れやすい2021/09/11
Go Extreme
1
「八月ジャーナリズム」とテレビ 「八月ジャーナリズム」の形成:終戦~一九五〇年代 テレビ時代の「八月ジャーナリズム」:一九六〇~七〇年代 アジアからの眼差し、アジアへの視点:一九七〇年代 冷戦下の「反核・平和主義」と「加害」の前景化:一九八〇年代 「加害の語り」の時代:一九九〇年代 内向化する「八月ジャーナリズム」:〇〇年代~一〇年代 「八月ジャーナリズム」の行方2021/09/06