内容説明
日本学術会議とは、そもそもどのような組織か―どのように運営されてきたか、その「あり方」は見直されるべきか、「閉鎖的な既得権益」「多様性の欠如」は本当か―政府の動きを詳細に検証する。前代未聞の「新会員任命拒否」はなぜ起こったのか?「学問の自由」の歴史的意味を問う!
目次
1 日本学術会議とはどのような組織か(学術会議の基本的性格;組織―総合的・俯瞰的活動を支える;会員の選考―コオプテーションによる代表性の確保;科学的助言と独立性;提言等から見る学術会議の役割;軍事研究についての学術会議の立場)
2 任命拒否の何が問題か?(任命拒否は正当か?;なぜ任命拒否が行なわれたのか?;学術会議のあり方を見なおす必要はあるのか?;任命拒否と学問の自由とは関係があるのか?)
著者等紹介
小森田秋夫[コモリダアキオ]
神奈川大学特別招聘教授、東京大学名誉教授。1946年東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。北海道大学法学部教授、東京大学社会科学研究所教授、神奈川大学法学部教授を歴任。日本学術会議連携会員、元日本学術会議会員・第一部長。専門は、比較法学、ポーランド法・ロシア法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
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近年の出来事で最も腹が立つのが、菅首相による日本学術会議会員の任命拒否事件。学術論文を読むこともない反知性主義者の暴挙に、腸が煮えくり返る思いがする。一方、仲間の学者6人が理不尽な任命拒否にあっているのに、唯々諾々と会員に就任した残りの99人の先生たちが、私には理解できない。滝川事件では、京都帝大法学部の全教官が辞表を提出して抗議をしたのに…。元学術会議会員の著者は、ナショナルアカデミーとしての学術会議の意義を強調し、学問の自由を叫んでいるが、現代の学者先生たちは、本気でそれを守ろうとしているのだろうか。2025/02/11