内容説明
なぜ“恋に落ちる”のがこれほど難しくなったのか。星の王子さまやヘーゲル、フロム、キルケゴール、ジジェク、プラトンにギリシャ・ヒンドゥー神話にディカプリオ(!)など古今東西の言説から現代における「恋愛」を読み解く。スウェーデン最新フェミニズムコミック。
目次
僕は感じない
あんたのかわりはすぐに見つかる
テセウスの顔
著者等紹介
ストロームクヴィスト,リーヴ[ストロームクヴィスト,リーヴ] [Str¨omquist,Liv]
1978年生まれ。スウェーデンを代表する漫画家、文化人
よこのなな[ヨコノナナ]
1977年生まれ。90年代半ばと2000年代初めにスウェーデンの地方都市でスウェーデン語や社会科学を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
61
気になっていた作品です。このような体裁とは知らず、ちょっと驚きました。なかなか興味深い内容でした。恋愛なんて実に不安定でスリリングな行為なんだと思います。それが中毒になるんだろうけど。2021/08/09
くさてる
21
おおそうか、こうやってわたしたちは恋愛に不自由さを感じ、動けなくなり、うまくいかないと首をひねり、ディカプリオは永遠に22歳のモデルの恋人をとっかえひっかえし続けるのだ……という内容で、とても面白かった。恋愛の仕組みを科学的に分析したもの、評論、小説など様々な角度から、恋の始まりから終わりまでを解説したもので、コミックというよりは、絵がふんだんに使われたエッセイだと思って読むのが良いと思います。慣れるまでは読みにくい形式だと思いますが、じっくり読みましょう。2021/09/08
菫子
14
最初のあたりの不感症なディカプリオのイラストに惚れて読み始めました(笑)内容はあるような無いような感じでしたが、なぜか愛着を感じるイラストと意味がありそうで無い文字のフォントを眺めるだけでも混沌とした恋愛観が楽しめました。これは読み物の形をしたアートですね。2021/09/12
コジターレ
9
「恋に落ちる」という言葉や「雷に打たれたようだ」という表現を聞く機会が少なくなって久しい。ベクトルが自分に向き、愛することよりも愛されることを願い、他にもっといい人がいるはずと期待し、恋を理屈で語ろうとする。そんな時代になったと感じていた。本書は、そんな漠然とした僕の思いを、哲学、心理学、社会学、神話などを題材に明らかにしてくれる。漫画というジャンルで括ることには疑問があるが、非常に刺激的な本であることは間違いない。2024/10/31
ケー
7
漫画を読んでいるというよりは小論を読んでいるような読み味。そこら辺の恋愛指南書的なものを読むよりよっぽど身になるというか、身につまされるというか。2021/06/27