内容説明
日本近世の重層的社会像に迫る!「士農工商」から諸社会集団の「重層と複合」へ多様な身分集団を統一的に把握する、“集団”“関係”“場”をキーワードとする方法的模索。日本史をもっと面白くする、歴史の読み方・とらえ方。
目次
1 日本近世の都市社会と身分(近世身分制研究の展開;日本近世の都市社会史をめぐって;都市における貧困と救済―アジア・ヨーロッパの近世身分社会の“比較類型史”から;日本近世の社会的結合)
2 身分的周縁論の模索(身分的周縁と歴史社会の構造;「近世の身分的周縁」によせて;近世大坂の身分的周縁)
3 先学に学ぶ―山口啓二・鈴木良・永原慶二氏の人と学問(山口啓二氏を偲ぶ;『東松山市の歴史』と『鎖国と開国』;新しい地域史の創造;時代に向き合って生きる―『山口啓二著作集』の刊行によせて;鈴木良氏の近代史研究に学ぶ―地域史研究の立場から;鈴木良氏の近代史研究の展開;歴史学の方法をめぐって―永原慶二『世紀日本の歴史学』に触発されて)
補論 私の歴史学入門
著者等紹介
塚田孝[ツカダタカシ]
1954年生まれ。東京大学史料編纂所助手を経て、1988年4月より大阪市立大学文学部に移り、現在、大阪市立大学大学院文学研究科教授。専攻は日本近世史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
8
日本近世史研究者である著者の、2000年代以降のとくに方法論に関わる論考をまとめたもの。前半は身分論関係、後半は書評が軸になっています。近年の研究上の論点が明快に整理されていて大変勉強になります。個人的には、『身分論から歴史学を考える』でも触れられていた歴史学の方法論の観点から永原慶二氏の『20世紀日本の歴史学』を位置づけなおした第7章と、著者自身の経験もふまえて大学生にとって歴史を学ぶ意味を説いた補論「私の歴史学入門」が刺戟的でした。2020/01/22
Ryuji Saito
0
2021年11冊目。 2021/04/23