内容説明
人気マンガからシャカイが見えてくる!描き込まれた「欲望や本音」との上手な付き合い方。
目次
大人と幼児が同時に楽しめるマンガはあるか?
いわさきちひろはどう批判されたか
「ダメ人間マンガ」はなぜ増えているのか?
「スポ根」マンガは死んだのか?
「ヤンキーマンガ」と「an・an」の接点は?
「気持ち悪い」「グロイ」という『はだしのゲン』の読み方の強さ
『ONE PIECE』はなぜつまらないのか
エロマンガは規制されるべきか?
少女マンガはエロマンガよりも「有害」か
なぜ女性向けエロマンガで強姦シーンがあるのか?〔ほか〕
著者等紹介
紙屋高雪[カミヤコウセツ]
1970年愛知県生まれ。京都大学法学部卒。自らのブログ「紙屋研究所」でマンガ評論や育児論、社会時評をつづる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
29
ONEPIECEへの疑念表明で炎上したらしいけれど、ストーリーも描き方もディティールも各作品しっかり読んでいく視線は本当にマンガ好きなんだなと納得できる。◇「はだしのゲン」「この世界の片隅に」の空襲の場面に描かれる次どうなるかわからない右往左往ぶりと、俯瞰で戦闘場面を描くマンガに感じられるカッコよさの違いには納得だし、エロマンガ表現規制への拒否とその表現そのものへの逡巡ぶり、「聲の形」評も。◇そして、最終章が「神聖喜劇」。原作、のぞえ版最終巻の記述の後、主人公東堂の戦い方への憧れを読んで思いきり共感する。2018/11/19
コウみん
1
マンガとは何か。 表見論としてのマンガ論は様々な形があり、その中で作者が読者に何を伝えたいのかをコマと絵として表現することで漫画は面白くなる。 マンガ学を学びたい人たちのための一冊であった。2020/07/28
さとちゃん
1
まえがきにある「絵本はいいのに、マンガはだめなの?」が本書の出発点なのでしょうね。実際には絵本も小説もマンガも論文も玉石混淆なのですが、なぜかマンガは教育の場で悪者扱いされる。マンガが描き出すリアリズムとは、の考察が丁寧になされているので、その対象のとらえ方に同意できる部分、できない部分どちらも落ち着いて読み進めることができました。2018/04/30