内容説明
富士山はどんな火山なのか?未曽有の危機に備える時間はあるか。箱根噴火は破局噴火の前兆なのか?火山灰が1ミリ積もるだけで、交通網はすべてマヒ、失明、呼吸困難、コンピュータのショート…いつどこで起きるか、現在の科学力ではわからない。
目次
第1章 不十分な富士山の監視
第2章 もし富士山が噴火したら
第3章 火山の成り立ち
第4章 日本人が見なかった富士山の過去
第5章 日本人が見た富士山の過去
第6章 富士山最後の大噴火は三〇〇年前の宝永噴火
第7章 噴火予知は難しい
第8章 破局噴火、そして原子力発電所を持つ「無謀」
著者等紹介
島村英紀[シマムラヒデキ]
1941年東京生まれ。東京大学理学部卒。同大学院修了。理学博士。東大助手、北海道大学助教授、北大教授、CCSS(人工地震の国際学会)会長、北大海底地震観測施設長、北大浦河地震観測所長、北大えりも地殻変動観測所長、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所長を経て、武蔵野学院大学特任教授。ポーランド科学アカデミー外国人会員(終身)。自ら開発した海底地震計の観測での航海は、地球ほぼ12周分になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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壱萬参仟縁
31
300年噴火していない富士山(11頁)。 どんなタイプの噴火をするのか、わからない噴火のデパート富士山(38頁)。 富士山の構造は4階建てで、溶岩流、火砕流、軽石(スコリア)、火山灰を出し、山体崩落(79頁)。 足掛け3年も続いた火山活動という記録もある(甲斐国の報告書、864年貞観噴火、106頁)。 宝永噴火はプリニー式(噴煙柱が10~50キロの爆発的大噴火、115頁)。 放射性廃棄物をマグマが襲う日は必ず来る(199頁~)。 2019/01/01
あんこ
11
もし富士山が大噴火したら、東京もすべての機能がストップし、国としての存続が危ぶまれるだろう。だけどそれより、富士山が崩れてしまって形が変わってしまったら、相当精神的にショックだろうなあと思う。日本の象徴だし。これほどの災害に対してどう備えればいいのか?素人考えでは首都機能分散ぐらいしか思いつかない。作者の言う通り、日本は火山大国なのに、高校の地学が必修ではない。もうちょっと教育、研究にお金をかけてほしい。2017/08/12
入道雲
4
図や写真が少ないので文章から想像する箇所が多い。しかし、このジャンルでは分かりやすいかも知れない。去年の御嶽山や熊本地震なども交え、ミューオンを使った最新研究状況にも触れる。肝心の富士山噴火だが、もちろん予知はしてないが、いつ起こってもおかしくないことを語っている。規模によっては日本の国自体の存続にも及ぶのだが、日々火山災害的には平和なので、国や自治体や各個人も対策の動きは鈍い。とは言え、個人で何が出来るかな?火山のホームドクターが減っているのは気掛かりだ。2016/11/05
Humbaba
2
同じ火山であっても、噴火の度に違う兆候を見せることもある。そのため、火山活動の予測を行うのはとても難しい。様々な条件が合致すれば精度よく予想出来るかもしれないが、それでは必ず漏れが生じてしまう。そのことをよく認識しておかないと、軽々に判断して大怪我をすることになってしまう。2016/12/07
ぎんりん
1
それぞれの火山に長年貼り付いて研究する学者なればこそ、微妙な変化に気付けて、有珠山の予知に成功した。今はそのような学者が減っていることに不安を感じた。縄文時代のカルデラ噴火で、西日本の縄文人が全滅したっぽいことを初めて知った。全滅するほどの噴火にはなすすべがないが、些細な噴火では生き延びられるように備えたいし、そのための知識をつけておきたくなった。2024/01/07
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