内容説明
アイドルブームで明らかになった女の近代的自我とサブカルチャーの位相、J‐POPのポジティブ志向と同期した永田洋子、その奇妙なパーソナリティ「ネオ漂泊民」としての日本人がたどった自我の彷徨を、江藤淳の問題意識に発し、戦後文学と大衆歌謡、そして連合赤軍事件に読み解く―
目次
1 サブカルチャーと女の「近代」(「成熟」と「喪失」後の「母」;サブカルチャーを担うもの;「前近代」の終焉;引き裂かれた場所で―「残念」に至る近代的自我)
2 ポジティブ思想とネオ漂泊民の戦後(漂泊民の証としてのポジティブ思想;実存とキャラクターの分水嶺;「一九七二年」のアイドル;喪われた「母」を求めて)
著者等紹介
中尾賢司[ナカオケンジ]
1974年、大阪生まれ。音楽ライター。幼稚園以降、奈良県北部の郊外で育つ。音楽・文学・映画についてのブログ「kenzee観光第二レジャービル」主宰。『ミュージック・マガジン』『クイック・ジャパン』等に寄稿。『「ネオ漂泊民」の戦後―アイドル受容と日本人』が単著デビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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miu_pal
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著者がnoteに書き継いている「ラブソングの危機を考える( https://note.mu/kenzee74/n/n2ef27eda067f )」が面白かったため、急ぎ入手して読んでみた。これもまた非常に面白い。森進一「おふくろさん」の台詞追加になぜ川内康範は激怒したのか?江藤淳が言った「母の喪失」になぜ上野千鶴子は涙を流すのか?そのことに年下のフェミニストたちが共感出来ないのはなぜか。岡田有希子の自殺とその一ヶ月後に発売された渡辺美里「My Revolution」の関係とは?2019/05/31