融解するオタク・サブカル・ヤンキー―ファスト風土適応論

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  • サイズ B6判/ページ数 197p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784763407139
  • NDC分類 361.5
  • Cコード C0036

内容説明

「失われた20年」を経て“尖った連中”が死屍累々を築くのを横目に、変幻自在にオタク的・サブカル的・ヤンキー的フレーバーを身にまとい、今を楽しく生きる“最近の若いやつら”。ロードサイドに集う地元のリア充達は、なぜあんな“ヌルい”カルチャーで満足できるのか―彼らのしなやかでしたたかな生き方に学ぶ、こじらせ系中年のための処方箋。

目次

第1章 国道沿いの小さな幸せ(「コンビニ、ショッピングモールにはなんでも揃っている」;地元は友達さえいればなにも恐くない ほか)
第2章 オタクもサブカルもヤンキーもいなくなった(私が出会った“尖った連中”たち;はじめに反抗ありき―校内暴力、暴走族、スケ番の時代 ほか)
第3章 オタク/サブカルの年の取り方―消費と差異化ゲーム、その行き着く果てに(サブカルは精神疾患する「商品選択」してしまう;自分には足りないアイデンティティを、サブカルで買う ほか)
第4章 国道沿いに咲くリア充の花(マイルドヤンキー論を巡る誤解―ファスト風土の人々は本当にダメなのか;「コミュ力」「リア充」というスラングの台頭 ほか)
第5章 追いかけてきた現実(軟着陸している人は、案外いるもんです;シーンの最先端は、もう若い人達に任せたって構わない ほか)

著者等紹介

熊代亨[クマシロトオル]
1975年生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。地域精神医療に従事する傍ら、ブログ『シロクマの屑籠』にて現代人の社会適応やサブカルチャー領域について発信している。“精神科臨床で目にする「診察室の内側の風景」と、ネットコミュニケーションやオフ会を通して見える「診察室の外側の風景」との整合性”にこだわり、社会心理学的な考察を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えちぜんや よーた

80
もうシロクマ先生(精神科医)ごもっともという感じ。「オタク・サブカル・ヤンキー」を「偏差値・学校・会社」に読み替えたら、アイデンティティを喪失して躁うつ病をこじらせた自分とピッタリ当てはまる。毎週のようにカウンセリングで言われていることです。「一つのことにのめり込み過ぎるな、複数の軸足を持て。でないと依存症になるぞ」としょっちゅう指導されてますw なるべく「一本足打法」にならないよう注意して生活しています。2017/01/06

アナーキー靴下

62
好きなゲームのファン層が自分の±10歳程度辺りとしたら、先細りの未来か、新規獲得のための刷新でターゲットから外れるか、と思われ、その心構えの参考になるかと思い読んだのだが、まったくだった。オタクが「特別な私」のアイデンティティ…? うーん、私が出会ったオタクっぽい人(自分含む)、多分皆「周りからオタクとレッテル貼られるなら甘んじて受け入れるが、自分からオタクを名乗るなんておこがましい」つまりオタクだからゲームやアニメが好き、じゃなく、好きなものがたまたまゲームやアニメだった、って感じだったけどなあ…。2023/04/25

キク

60
「オタク」「サブカル」「ヤンキー」という文化を担っていた尖った連中は、どこからやってきて、どこにいったのか?情報社会の発展とともにカジュアル化していった後で、どう生き残っていくべきかを論じる。「誰も君にトドメをさしにはこない」という言葉はなかなか刺さるけど、これからどうするかを人に聞いてる時点で、カジュアル化しちゃってるよね。「もはやオタクやサブカルやヤンキーが流行る時代ではなく、そこに傾倒していられる年頃でもなくなった」とのこと。いや、僕はオタクでもサブカルでもないけどさ、愛するものくらい自分で決めるよ2023/04/22

くさてる

18
若者文化のジャンルとしての「オタク」「サブカル」「ヤンキー」。年齢を重ねて、その文化の最先端を追い掛けるのが困難となってきたときに、人はどうやって立ち止まり、生き方を変えるのか。ちょうど同じようなことを考える年齢に差し掛かっていた自分としては、とても興味深く思える本でした。何歳になっても「好きなものは好き!」。だけど、年齢を重ねることで生まれるどうしようもない障害や感性の鈍摩化からは逃げられない、では…というところまで考えることが出来て良かったです。誰もわたしにトドメをさしてはくれないのだから。2015/05/04

きょん

12
国道沿いに広がるショッピングモールとファミレスと家電店。オタク、サブカル、ヤンキーの境界が曖昧になり、いいとこどりのハイブリッドな地元大好き人間が闊歩する現在。著者を含めたロスジェネ世代の先鋭的なオタク、サブカルは年を取り、居場所のなさ、アイデンティティーのゆらぎを感じ始めている。いかに後半生ソフトランディングしていくべきかが述べられている。しかし東京の端っこに住み、巨大ショッピングモールが苦手で国道沿いの店は退屈、かといってオタクでもサブカルでもない自分はどういう立ち位置なんだろう?と考えてしまった。2016/03/16

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