内容説明
これでいいのか保育改革。年長児の昼寝をやめ、小学校に備えて、「聞く」「待つ」「座る」の習慣を身につけよう…。幼稚園・保育園一体化、保幼小一貫教育を名目に、保育園のあり方が一変している。保育園を超過密にする待機児対策で大丈夫?
目次
第1部 品川の「保育改革」の実態と問題点―品川の保育でいま何が起こっているのか(様変わりの年長児保育―「あこがれ」から「大変」に;保育の内容の改変と矛盾―保幼小一貫ジョイント期カリキュラムの問題点;品川区の待機児童対策と保育条件の後退;座談会 いま品川の保育現場で起きていること―急速な変化と矛盾、多忙化のなかで)
第2部 品川の保育の歴史と到達点(豊かな保育運動の歴史を力にして―品川の保育と区の「保育改革」の歩みと課題;座談会 品川の保育づくりの歴史を振り返る)
第3部 品川の学童保育(品川の学童保育の現状と課題)
第4部 「子ども・子育て支援新制度」批判と品川の保育(蓄積されてきた「保育」の価値を切り捨てる幼保一体化―品川の保育改革の問題点;「子ども・子育て支援新制度」の問題点―保育制度はどう変えられようとしているのか)
著者等紹介
佐貫浩[サヌキヒロシ]
1946年、兵庫県篠山市生まれ。法政大学キャリアデザイン学部教授。教育科学研究会委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
5
品川の保育園と学童保育に何が起きているのか、問題提起したブックレットです。品川は、幼保小一貫ジョイント期カリキュラムを実施し、幼稚園文化も保育園文化もないがしろにされ、ミニ小学生のような活動となり、保育の価値が崩されてきている実態が告発されています。また、形だけの「幼保一元化」は、遊びや生活をまったく無視したものとなっていると指摘されています。学童保育も指導員の非正規化が進み、子どもの生活は顧みられていない実態があります。市場化・営利化の推進が子どもたちにもたらすものは何かを考えることができる一冊です。2014/03/23