内容説明
尖閣諸島は日本固有の領土か?日本、中国のはざまで翻弄される琉球・沖縄の歴史。公文書がひもとく「領土編入」に隠された真実。豊富な資料と公文書を緻密に分析。
目次
第1章 はじめに―冷静、客観的視点の大切さ
第2章 琉球・中国・日本の関係
第3章 琉球三十六島をめぐって
第4章 東アジアの激動と琉球王国
第5章 徳川から明治へ
第6章 西村捨三の1885年
第7章 日清戦争の大勝に乗じて密かに領有する
第8章 講和条約案の大枠は1月に決まっていた
第9章 日本政府の基本的見解を検証する
著者等紹介
村田忠禧[ムラタタダヨシ]
神奈川県出身(1946年7月生まれ)。東京大学文学部中国文学科卒、同大学院博士課程中国哲学専攻単位取得満期退学。東京大学教養学部助手、横浜国立大学助教授、教授を経て、横浜国立大学名誉教授。神奈川県日中友好協会副会長。専門は中国現代史、現代中国論、日中関係論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
6
2013年刊。題名通り、尖閣諸島問題について日本の公文書を用いて歴史的事実を提示する本。日中対立となっている現在、客観的事実から始める。認識を共有しなくてもいいので、先ずは事実を共有するべきだと。著者の提案は日中共同管理。琉球王朝の歴史から始まり、明王朝と江戸幕府との「両属」の実態について。また琉球の支配領域について。そこが尖閣諸島の帰属問題に直結するので慎重に検証されている。当時の琉球、江戸幕府、薩摩藩、中国側の冊封使等、様々な認識が提示され、尖閣諸島が琉球王国に属していないことが明らかにされる。→続く2022/05/31
仮定体
0
こういった本が出ているのに、きちんとした資料をもとに歴史を検証しようとする動きが起きないのは不思議。日本の瑕疵もあるが、この時代は世界的に帝国主義が猛威をふるい、大勢の庶民が不幸に見舞われた。関係者が冷静になって話し合うことが大切。2013/07/29