内容説明
内部被曝の健康影響を明らかにし勝利した熊本原爆症認定訴訟。福島原発事故による内部被曝の危険性を問う。
目次
第1部 熊本原爆訴訟の経緯(なぜ熊本で原爆訴訟を提起したのか;裁判の進行;熊本訴訟の概要)
第2部 裁かれた内部被曝(内部被曝とは何か?;裁かれた内部被曝;内部被曝の医学;原発事故と内部被爆;水俣の教訓を福島へ;若手対談―原爆症認定訴訟に関わって)
第3部 意見陳述―法廷での訴え(原告の壮絶な訴え;代理人の訴え)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
0
原爆症認定訴訟においては、訴訟をしない限り被害者救済をしようとしない国の態度がある。原爆症認定に関しては、平成21年8月6日、政府と被団協との間に、新たな訴訟の提起が必要のない解決を図る事が確認されたにも関わらず、再び裁判をしなければならない現実があるのだと言う。水俣病との類似点は様々あるが、認定制度にまつわる仕組みは水俣病と全く同じ。認定基準や制度の運用は全くの相似形である。被害の実相を無視した厳しい基準は、被爆者の切り捨てに作用した。足尾鉱毒から広島、長崎、水俣そして福島まで、問題は地続きである。2013/02/19