内容説明
いつの世も変わらぬ“人の愚かさ”を笑いにつつんで描き出す古典落語。市井の人々の愚かな立ち居振る舞いと波紋、それが周囲に受け容れられる中からかもし出される人情の機微。古典落語が、現代のせわしいわれわれに語りかけるものとは。
目次
1 古典落語への視角(古典落語の人間像への視点;高座の速記録を読むことについて;古典落語の社会認識)
2 古今亭志ん朝の噺を読む(「芝浜」;「文七元結」;「明烏」;「火事息子」;「大工調べ」;「火焔太鼓」;「子別れ・下」)
3 噺の中の役割に見られる人間像(亭主・父親vs.女房・母親;家族―息子・娘・子ども;与太郎;周囲の人間たち;廓の人間たち―女将・花魁・若い衆;「お上」(町奉行)
文化・芸術を継承する人間)
著者等紹介
幸津國生[コウズクニオ]
1943年東京生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文科学研究科博士課程単位取得。都留文科大学勤務をへて、ドイツ・ボーフム大学ヘーゲル・アルヒーフ留学(Dr.phil.取得)。現在、日本女子大学勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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