内容説明
「中国や韓国は国定教科書」「反日の記述で埋まった歴史教科書」…日本での議論をよそに、中国でも韓国でも歴史の教科書は、我々の想像をはるかにこえて変貌をとげている。中国の教科書は、90年代に入ると検定教科書が登場。最新の歴史教科書では、抗日戦争の記述は90年代にくらべて大きく減少し、国民党の役割が抜本的に見直される一方、人々の記憶に新しい文化大革命については、教科書による評価のちがいも見られる。日中韓3国共通歴史教材『未来をひらく歴史』作成の一部始終にかかわってきた著者が、体当たりでつかみとった最新の中国・韓国の歴史教科書事情。戦争を知らない各国の若い世代は、長年にわたる各国間の歴史認識の溝をどう乗りこえていくのか。
目次
第1部 『未来をひらく歴史』という歴史対話(『未来をひらく歴史』作成までの道のり;作成過程で何が議論されたのか;『未来をひらく歴史』の刊行と活用;『未来をひらく歴史』の成果と課題 ほか)
第2部 中国の歴史教科書の変遷とその方向性(現代中国の課題と歴史叙述;歴代の歴史教科書における記述内容の変化;多様化する歴史教科書;中国の教科書制度と歴史教科書の多様化 ほか)
著者等紹介
齋藤一晴[サイトウカズハル]
1975年神奈川県生まれ。法政大学社会学部卒業。明治大学大学院文学研究科博士後期課程在籍、法政大学第二高等学校非常勤講師・関東学院大学経済学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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