内容説明
なぜ絵を描きますか―絵画制作の原点を求めて。ドローイングとは?自己実現の手立てとしての絵画制作への招待。
目次
第1部 絵画制作の理念―制作の根幹をなすもの(絵画制作の原点;自己の「核」の発見;「こだわり」と制作 ほか)
第2部 絵画制作の実際(さらに一度ドローイングを再考する;自己の絵画主題をどう明確化するか;絵画制作における「壊すこと」の意味について)
第3部 絵画制作の過程と完成・未完成の問題(未完成問題の提起と経緯;創造過程の二つの型とその内容について;未完成に至る要因の考察 ほか)
著者等紹介
小澤基弘[コザワモトヒロ]
1959年愛知県一宮市に生まれる。1983年愛知県立大学文学部英文学科卒業。1988年筑波大学芸術専門学群卒業。1990年同、大学院修士課程芸術研究科修了(芸術学修士)。1992年同、大学院博士課程芸術学研究科単位取得中退。1998‐99年文化庁芸術家在外研修員(パリ国立高等美術学校教授研修員)。2005年博士(芸術学・筑波大学)。埼玉大学教育学部教授(美術教育講座)。専門は絵画実技、絵画論。作家としての活動歴に、グループ展・風の芸術展ビエンナーレまくらざき(97年佳作賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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袖崎いたる
8
勉強の技法ばかりではなく哲学も重要で、むしろそちらへの配慮に重きを置かなければ勉強は成らない。この便法は制作の方にも当てはまる。世々にセールされること万巻にも及ぶであろう技法書の状況を踏まえ、著者は制作の仕方ではなくその意味を、つまり哲学を物す。実際に制作学という学問も仕立てられているらしく、『講座 美学』を読まざるをえない感に打たれて仕方がないという気分。何かしらの創作を趣味としている人への救済の書かもしれない。創作のさなかに不意に訪れるあの一瞬の肯定。まぁ、創作欲はひとつの存在論的欠落にも思えるが。2017/05/13
邪馬台国
1
なんという技法書。絵画を始める人は“一般”の技法書と合わせて持っていて欲しい一冊。2010/07/25