内容説明
人間はなぜ人間を呪うのか?だれも書かなかったシェイクスピア論。魔女の呪文―「よいは悪いで、悪いはよい」はなにを意味するか?シェイクスピアの全戯曲を貫く人間思想、人間哲学の根本テーゼを、ニヒリズムの観点から読み解く。
目次
1 マクベス夫妻の乖離的二人三脚―『マクベス』試論(1)
2 魔女の誘惑のゆくえ―『マクベス』試論(2)
3 『リア王』と疎外
4 シェイクスピアにおける男と女―純愛と獣愛の弁証法
5 二つの『夏の夜の夢』―ウィーンでの演劇とバレーの鑑賞記
6 呪いとは何か―シェイクスピアにおける呪いの射程
7 悪の哲学またはイアーゴゥの擁護―『オセロー』試論