内容説明
博物学、民俗学、植物学、粘菌学、宇宙哲学、深層心理学、心霊学からセクソロジーまでを究め尽くした奇人学者の、破天荒にして奔放な生き方。
目次
プロローグ 巨木のような人がいた(型に納まらない人生;神から授かった名前)
第1章 世界を見すえた男―ロンドン留学時代(デビューと名声;栄光、そして不遇)
第2章 宇宙をとらえる―南方マンダラの世界(森羅万象すなわちマンダラ;無意識と直観 ほか)
第3章 神童、アメリカに渡る―幼年時代、そしてアメリカへ(かわいい神童;青年に志あり ほか)
第4章 見えないものと見えるもの―南方学の視野(民俗学・二人の巨頭;浄の男道 ほか)
第5章 エコロジストの誕生―環境運動と晩年(神社の森を守れ;エコロジーという発想 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水無月十六(ニール・フィレル)
4
知の巨人南方熊楠の生涯を描いた本。詳細な内容は忘れてしまったので再読しなければならないが、知の巨人に恥じない巨人ぶりというか、結構豪快な生き方をしていらっしゃったのだなと感じた記憶がある。合祀問題に関わる話も興味深かった。田辺の方に住んでいた頃に南方熊楠記念館についぞいかなかったがわ改めて本書を再読の上、訪ねてみようと思う。2022/04/13
ぷりん
3
ようやく読了。熊楠の考えを理解することは難しそうだが、凄まじい生き方をしていたことだけは分かった。2010/08/24
ちゃちゃまる
2
民俗学、植物学、博物学…宇宙,神話,科学,宗教,自然,人間,霊魂,粘菌…森羅万象をとらえた“知の巨人”こと南方熊楠!尊敬してやまない人物なのですが、スケールが大きすぎて掴めない。南方熊楠の生き方は、学問そのものなのだと思います。興奮。そしてこんな風に繋がっていたのか、と思った柳田国男。ここから三木成夫に…(ごくり)元々興味があった、熊楠にとっての“森”“神社”については、公界 という概念が示されていました。境界 や 境目の空間についてここ数ヶ月考えていたので喜びのあまり唸った。2012/11/26
onasu
2
前々から気になっていた知の巨人に関する本を読めてよかったです。 博覧強気との形容通りの飽くことのない知への欲求。細かな部分への追求と同時に宇宙を捉える両立性には感嘆しかありません。 熊野の地が生んだ不世出の偉人、あるいは異人です。2011/04/22
ヨミナガラ
1
“「てんぎゃん」とともに「反芻」ともあだ名されていた。これは常人とは異なる牛のような胃によって、いったん食べたものもいつでも胃から吐き出せるという芸当ができたからだ。”2014/04/07