内容説明
生きていることは、科学的にみても、全く不思議なことであり、いのちを生み出された巨いなる存在の前に、私は自然と頭が下がった。私は、自分がすぐれていると思ったことはない。また、いつでも喜びにあふれた“陽気暮らし”の境地には、ほど遠い日のほうが多い。そのような私でも、目には見えない大きな力のおかげで幸せに生かさせていただいていることを、科学研究の立場で知らせてもらった。このことを、できれば多くの人に知っていただきたかった。それで、本書では、ある場合には恥をしのびながら、自分について語った。
目次
第1章 創造力の源泉(「高血圧の黒幕・レニン」の正体をさぐる;遺伝子工学で世界初の成果を上げる ほか)
第2章 ひとすじの道(「海外布教」の期待を背に;同じ働きなら給料は同じ ほか)
第3章 やり切る心(日本の科学の中心に;仲間の心を一つにする ほか)
第4章 陽気暮らしをめざす科学(一万個の実をつけたトマト;「神」を忘れた科学者 ほか)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
11
素晴らしい本でした。半分くらいは著者の自伝的内容です。人間を含めた万物は大いなる自然の一部であり、人間は大いなる何ものか(サムシンググレート)に支えられているという世界観。天理教の家に生まれたということも影響しているでしょうが、決して宗教本・スピリチュアル本ではありません。人類には「陽気暮らしのための科学」が必要であり、「つつしみ」が必要。科学至上主義・人間至上主義では本当の幸せは得られない。一万個の実をつけるトマトは人間の目には素晴らしいかもしれないが生態系全体でみると問題。何事にも最適規模があるんです2024/12/15
うわじまお
2
がんばって読みました。科学と信仰は離れ近づきながらも、サムシンググレートに人類はたどり着けない。それほど、”自然”は壮大なのです。ということがよくわかりました。2016/02/26
ロバート・カワサキ
2
科学者からみても人類誕生は、見えない何者かの作為なくしてはあり得ないくらいの確率らしい。著者は天理教の信者のようだが、一見すると科学からもっとも遠いところに位置する宗教はつながっていると気づかされる。最近は科学の進歩によって人類こそが万能であると錯覚しがちだが、サムシンググレートという見えない偉大なものに生かされていることを忘れないようにしたい。2015/10/12
カムナビ
1
いい本かと思ったけど、ちょっと古くて(1999年)、遺伝子工学のトピックスがつまらなくなってしまっている。村上さんって天理教だったんですね。2014/04/13
Gotoran
1
サムシンググレート、あると思います。ぶれない信念を持ちたいものです2010/10/28
-
- 和書
- 柔かい月 河出文庫