内容説明
男をみがく。生き方を考える。文豪が説く「粋」の真髄とは。男をみがくとは、どういうことか?「食べる」「住む」「装う」「つき合う」「生きる」―それぞれの場面で文豪が説く「粋」の真髄を、数ある池波作品から収録、再編集した新編・作品対照版。味わい深い言葉の数々が、作品中の人物や出来事や風物と呼応する。池波ファンはもとより、読んだことのない方の入門書としても最適の一冊。
目次
1 食べる―店構えの見方から鮨・そばの食べ方まで(食べもの屋というものは、店構えを見ればだいたいわかっちゃう。―店構え;たいていの人はわさびを取ってお醤油で溶いちゃうだろう。あれはおかしい。―わさび ほか)
2 住む―家の建て方から男をみがく暮らし方まで(ぼくの家は、ドアというものは一つしかないんだ。一階便所のドアだけ。あとは全部引き戸。―引き戸;狭い四畳半に応接セットを買い込んでドカンと置く。どうにもならないよ(笑)。―日本間 ほか)
3 装う―靴・ネクタイの選び方から男の顔のつくり方まで(いまの女は、亭主が出かけるときに靴をみがくなんて思ってもいないのかねえ。―靴;自分に合う基調の色というものを一つ決めれば、あとは割合にやりやすいんだよ。―ネクタイ ほか)
4 つき合う―約束の仕方から男を上げる女とのつき合い方まで(百円を出すことによって、本当に「ありがとう」と言っているんだということがわかるわけなんだよ。―チップ;一所懸命このネクタイを選んでくれたんだなあということが通じれば、それはそれでいいと思う。―贈りもの ほか)
5 生きる―仕事の仕方から理想の死に方まで(楽しみとしてやるのでなかったら続かないよ、どんな仕事だって。努力だけじゃ駄目なんだ。―楽しみ;麻雀ほど、肝心の若い人の時間を無益に過ごさせる賭け事はないんだよ。―麻雀 ほか)
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年、東京・浅草に生まれる。戦前は証券会社で働き、戦後、都庁に勤めるかたわら新聞社の懸賞戯曲に応募、2年続けて入選し、これを機に劇作家になる。やがて小説に身を転じ、60年『錯乱』(春陽文庫)により第43回直木賞受賞。『鬼平犯科帳』(文春文庫)『仕掛人・藤枝梅安』(講談社文庫)『剣客商売』(新潮文庫)などのシリーズにより時代小説に新分野を拓き、77年第11回吉川英治文学賞を受賞。90年病没。食通としても知られ、作品の随所で料理についての蘊蓄が傾けられるほか、『食卓の情景』(新潮文庫)など幅広いファン層を持つエッセイも多い。また水彩画・映画鑑賞も素人の域を脱し、味のある自筆挿絵が添えられたエッセイや、『池波正太郎の映画教室』(ごま書房)などがある
柳下要司郎[ヤギシタヨウジロウ]
1941年、長野県飯田市出身。京都大学文学部卒。フリーのジャーナリスト・編集者として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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