出版社内容情報
(編集中)
内容説明
ここは、傷ついた思い出を美しい思い出に変える、不思議な修理工場―。うまく友達をつくれない少女ピピが工場で出会ったのは、せっかちなズッキ、白ヒゲの親方ジサマ、朝は少女、昼は大人、夜の老女になるレディ・ミス・ミセス・マダム…ピピは、初めてできた仲間たちと、工場を閉鎖に追い込もうとする「黒いエージェント」に立ちむかうが…?元スタジオジブリアニメプロデューサー、初のファンタジー小説!
著者等紹介
石井朋彦[イシイトモヒコ]
1977年、東京生まれ。アニメーション映画プロデューサー。幼少期をドイツ・ニュルンベルクで過ごし、高校で演劇を学ぶ。2年間の海外放浪ののち、1998年スタジオジブリ入社。鈴木敏夫プロデューサーに師事し『千と千尋の神隠し』などのプロデューサー補をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
66
ジブリの石井さんのファンタジー。エンデの「モモ」を思わせる作品です。そのうち映画にしてほしいかも。ドイツのバイエルン州ニュルンベルクは、冬のクリスマス市で有名。あとは小さいソーセージが美味。それに木のおもちゃ。いつか遊んだ思い出があって、でも、そのうちにどこかで壊れてなくなってしまう思い出。その一つ一つの積み重ねから、自分が作られていく。けっしてお金だけが幸せではない。そんな一コマを大切にしたい。2020/04/09
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
48
とても素敵なファンタジーでした。あっちの世界とこっちの世界が脳内で画像として浮かぶのは、流石、元スタジオジブリのプロデューサーだからでしょうか。10歳のピピが迷い込んだアシトカ工作所。そこは「思い出を修理する工場」であった。新しいものも必要だが、傷ついた思い出も、時間の経過とともに美しい思い出へと変わる。大切にしないといけないものは何か、幸せとは・・をそっと教えてくれる。響く言葉も随所に散りばめられている。映像化してほしい作品。2022/04/06
kou
45
どの世代が読んでも楽しめる素敵な一冊だった。読むと、生きる上で、大切なこと、忘れてしまったことを思い出させてくれると思う。ジブリで映像化してくれないかな~(笑)。2020/02/21
あおでん@やさどく管理人
41
人の思い出は奪っていいものではない。楽しい思い出も苦しい思い出も、自分の中で少しずつ磨いていって、自分のものとして大切にしていくべきもの。どうしても過去を振り返る余裕を失ってしまうこの頃に、いい作品を読めたと思う。2020/04/04
tellme
33
ジブリのプロデューサーだった方の作品。なるほどジブリの世界観、アニメ映像が浮かんでくる。子供向けファンタジーのようでいて、大人向けの仕事術だったりメッセージ性も持っている。『モモ』になんとなく似てる気がする。思い出を磨くことは自分にしかできない。素敵な本でした。2021/03/02