内容説明
光を求めさまようおばけたちがひそむ暗い森―そのそばで一人さみしく暮らす女性のまえに、小さなおばけのこがあらわれた!「学校にいきたかったの」というそのこは、少しかわっているけれど、かわいくてチャーミング。闇をたくさんのみこんだおばけをたすけるために、ふたりはいっしょに森の中へ!森の国フィンランドからやってきたふしぎな物語。
著者等紹介
エーケボム,テルヒ[エーケボム,テルヒ] [Ekebom,Terhi]
フィンランド・ヘルシンキを拠点にアーティスト、グラフィックデザイナー、イラストレーターとして、ミラノやブリュッセル、ニューヨークなど、世界の都市で活動。2000年にヘルシンキ美術大学(現・アールト大学)を卒業後、視覚芸術とグラフィックデザインを学び、2002年にはヘルシンキ・メトロポリア応用科学大学を卒業。線描を用いたイラストレーションのほか、ウォールペインティングからコミックまで、さまざまな技術・媒体を用いて作品を制作する。2014年に、フィンランド漫画協会から高い評価と功績を残したフィンランド人漫画家に贈られるプーパー帽賞を受賞。日本では『おばけのこ』が初の出版作品となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
159
表紙絵に魅かれて読みました。フィンランドのアーティストによる幻想的な大人向けの絵本、文章はかなり少なめです。 👻👻👻 https://www.kyuryudo.co.jp/shopdetail/0000000020952023/04/05
アキ
121
フィンランドのマンガ。2013年出版され2023年邦訳された。原題: KUMMITUSLAPSI - The Ghost Child 装幀・デザインはクラフト・エヴィング商會。とても暖かい上品で丁寧な漫画です。最初に古今和歌集878「わがこころ なぐさめかねつ さらしなや をばすてやまに てるつきをみて」が載っています。お話しは、心を病んだ女性がおばけのこと出会い、共同作業をして森のおばけを救う内容。訳は稲垣美晴。あとがきは写真家の川内倫子。「ひかりでつなぐ」とはご自身の写真のテーマでもあるのかな。2023/06/02
藤月はな(灯れ松明の火)
59
薄く、藍に染めたキルト地への刺繍のようなタッチが気になり、読む。明らかに小さな靴を押し懐くようにしてから箪笥にしまった後の女性。それは傷が癒えるのを待つ野生動物のような痛々しさがあった。そんな彼女が引っ越してきたのは嘗ての姥捨て山ならぬ森だった。その森には貧苦に捨てられ、亡くなった魂が彷徨っていた。先祖が犯し、自分が生きているという罪悪感、もしくは恥と恐ろしさから誰もが近づかない森に掛けられた紐を綺麗にし、魂たちの道標とする彼女には自分のやるべき事をやる逞しさに満ちている。そんな彼女を見つめていた魂がいた2023/06/23
とよぽん
58
新聞の書評を見て知った作品。図書館にリクエストして。年度替わりで日数がかかったが、手元に迎えることができた。フィンランドのイラストレーター、グラフィックデザイナーによる。不思議な森の物語。読み始めてすぐ引き込まれるが、タイトルの「おばけのこ」になかなか気づかなかった。あぁ、この子かと(表紙を見ればそこにいるのにね)。シンプルだが繊細で奥深いイラストは、水墨画のような感じの味わい。クラフト・エヴィング商會さんの装幀・デザイン。写真家の川内倫子さんが書かれた巻末の文章も、しみじみとした余韻があった。2023/05/13
くさてる
34
フィンランドの絵本。とても哀しくて美しくて、やさしい話だと思いました。絵の力ってすごいな、と思いました。主人公がスーツケースから出す小さな靴、それだけでなにもかも想像できてしまう。裏表紙の解説は間違ってないけれど、そんな元気な話じゃないのではと思ったり。やさしい幽霊話がお好きなひとは、ぜひ。2023/08/03