内容説明
フジタにまつわる真実を、消えゆく前に書き留めた、藤田家9代目が次世代の人に送る覚書。16年にわたる検証によって、謎多き画家のリアルな姿が浮かび上がる、研究への道標。
目次
藤田の家の歴史
小栗家と小栗信
初等・中等教育から画学生になるまでのこと
息子フジタと次男フジタ
生母まさをめぐる断章
戸塚のアトリエ
獣面蛇頭の仮面
マドレーヌの「写真帳」
「嗣治さん」「Leonardさん」何と呼んだら満足なさるのですか?
こぼれ話
著者等紹介
藤田嗣隆[フジタツグタカ]
昭和13年(1938)2月26日、東京で出生。昭和36年(1961)慶應義塾大学経済学部卒業。会社役員退任後、平成16年(2004)慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻に学士入学。平成18年(2006)卒業。レオナルド・フジタは母方大叔父(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やまやま
12
著者は藤田家の血統を継ぐ方であり、実際の藤田嗣治は大叔父であった。「覚書」として自分の体験と文献調査を交えて藤田家のルーツを探っている。藤田の父は陸軍軍医総監であった藤田嗣章である。ちなみに藤田家の通名は「嗣」で、著者も持つ。次男に生まれたレオナールは家では「ツグジ」と呼ばれたが、本人は外では「ツグハル」と使うようになったのも個性の現れであっただろうか。4番目の奥さんであるマドレーヌとの関係は、芸術と酒や麻薬との関連で現在の眼からは不道徳女性とされるが、個人的には純情な女性の姿に思えたのは贔屓でしょう。2021/08/04
s
2
胸が熱くなりました。 マドレーヌについて詳しく描かれており、彼女が浮かばれた様で嬉しい。フジタの描く綺麗なマドレーヌの絵は、ファッショナブルで憂いがあり、なんとも言えない気持ちにさせられます。 名前の事や児童画について等も、かゆいところに手が届く嬉しい情報でした。 また文章が胸に迫って良いです。感動しました。2022/01/10
ローズ
2
藤田嗣治没後50年を期に、親族からの手紙や思い出話を集め、フジタの波瀾万丈な人生を見つける良書でした。2020/10/04
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- 和書
- 臨床腫瘍薬学 (第2版)