出版社内容情報
切っても切れない
文学と芸術のおはなし切っても切れない、文学と芸術のおはなし館長の抽斗奥からさらに出てきた、文学と美術をめぐる32の物語。現代日本を代表する美術史家、世田谷美術館館長・酒井忠康の軽妙かつ深い見識によって、近代日本を代表する文豪や詩人、画家たちの精神が映し出され、一筋縄ではいかない強烈な個性の作家たちの生き様が目に浮かぶ。◎鏑木清方《三遊亭円朝》をめぐる話……鏑木清方と麻生三郎が、三遊亭円朝を挟み、時空を超えて江戸と昭和を?ぐ。/◎川端康成と古賀春江……川端康成の心を揺らし続けた画家・古賀春江について/◎芥川龍之介の河童の絵……芥川龍之介の人生を写したかのような自身による河童の絵の話/◎渋澤龍彦の最後の注文書……偶然に見せてもらえた、生前最後の本の注文書についてーー等、読み出すと止められない、読書心をくすぐる名エッセイ集。
?文学と美術:志賀直哉と美術/高村光太郎/鏑木清方《三遊亭円朝》をめぐる話/谷崎潤一郎の美的側面、夢二と同時代の美術/川端康成と古賀春江/芥川龍之介の河童の絵 ほか…
? 詩と絵画:村山塊多と詩と絵画/萩原朔太郎の装幀/西脇順三郎の絵/文具店の溝口修造 ほか…
? 文学散歩:かまくら文士の片影/澁澤龍彦の最後の注文書/再会の夜の雪道 ほか…
? 描かれたものがたり
酒井忠康[サカイタダヤス]
日本の美術評論家、世田谷美術館館長。北海道余市郡余市町出身。1964年、慶應義塾大学美学美術史科卒。同年より神奈川県立近代美術館学芸員、1979年、小林清親を論じた『開化の浮世絵師 清親』でサントリー学芸賞受賞。その後1992年より同館館長。2004年より世田谷美術館館長をつとめる。近代美術の研究、現代美術の評論活動を行う。2003年の『海にかえる魚』では、小説に挑んだ。
内容説明
文豪や詩人、画家たちのサイドストーリー。川端康成の心を揺らした古賀春江、芥川龍之介の人生を写す河童の絵、鏑木清方と麻生三郎の三遊亭円朝をめぐる縁、澁澤龍彦の生前最後の本の注文書…読み出すと止められない、33話の名エッセイ。
目次
1 美術と文学(志賀直哉と「美術」;高村光太郎―パリで秘密にしたもの;高村光太郎の留学体験 ほか)
2 詩と絵画(村山槐多の詩と絵画;萩原朔太郎の装幀;西脇順三郎の絵 ほか)
3 文学散歩(“かまくら文士”の片影;安岡章太郎展の一隅;近藤啓太郎『大観伝』にまつわる消された話 ほか)
4 描かれたものがたり(美術と文学の共演)
著者等紹介
酒井忠康[サカイタダヤス]
1941年、北海道生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。1964年、神奈川県立近代美術館に勤務。同美術館館長を経て、現在、世田谷美術館館長。『海の鎖 描かれた維新』(小沢書店、1977年)と『開化の浮世絵師 清親』(せりか書房、1978年)で注目され第一回サントリー学芸賞受賞。その後、美術評論家としても活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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