内容説明
この恋愛が、孤独な青年を真の小説家に変えた。若き日の川端康成が愛し、初期文学のモデルとなった伊藤初代。初代宛ての未投函の手紙と往復書簡の発見が発端となり、川端文学を紐解きながら二人の恋とその後を辿る、長い旅が始まった。初公開の豊富な写真資料とゆかりの地の写真で綴る文学紀行。
目次
伊藤初代との恋
岩谷堂―夕映えの丘
鎌倉―桜井氏との出会い
長谷―未投函の手紙
岐阜―初恋の地
温泉津―夕光、静かなり
東尋坊―異界の海へ
岐阜再訪―金木犀のかおり
鎌倉―渚にて
南砂町―初代終焉の地
会津―初代生誕の地
天城―「伊豆の踊子」誕生の地
善福寺―夜のベンチ
東尋坊再訪―冬の雄島
著者等紹介
水原園博[ミズハラソノヒロ]
公益財団法人川端康成記念会理事、展覧会プロデューサー。昭和22年香川県善通寺市生まれ。昭和42年に学習院大学文学部哲学科に入学、芸術学専攻。昭和46年に毎日放送大阪本社入社、昭和47年から東京支社で営業畑を歩む。平成14年に川端コレクション展を企画。翌年より全国巡回。毎日放送退社後も同展を運営、平成28年の東京ステーションギャラリーで27館目となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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シロクマぽよんぽ
2
川端康成の婚約者・伊藤初代がなぜ突然婚約破棄してしまったのか、その真相を求めて関係者を訪ねる旅行記。筆者の妻が亡くなったとか、筆者の友達がどうだとか、旅先の宿がどうとか、伊藤初代と関係のない脱線も多いが、まあこれくらいの方が読みやすいんだろう。《先行研究についてよくまとまっている旅行エッセイ》として読めば、非常に面白いものだと思う。結局婚約破棄の理由はよくわからないけれど、初代が川端を深く求めていなかったという点に関しては間違いないだろう。そう考えると、終盤の友人の意見も、言われてみれば確かに納得がいく。2021/07/09
Yuki
0
おじさんの文学旅行記。2018/08/05