出版社内容情報
京都賞受賞記念・卒寿記念出版
織と文の集大成
植物染料による絹の紬糸をもちいた平織。
その原点を厳粛に守り、美しくうつろう自然の景象、日本の伝統文化を中心とする世界の芸術文化、東西思想・宗教の智慧を深く呼吸し、祈りを捧げるように染め織る。
紬織の人間国宝(重要無形文化財保持者)志村ふくみ自らが選んだ着物の代表作と最新着物を掲載。
それら作品によせて詩や散文を書き下ろした「織と文」の集大成作品集。
●キャプション日英併記
著/志村ふくみ
A4変型 上製本 252頁(カラー228頁) 輸送用ケース付
◆章構成
I あはれ えまき〈ふくみ源氏〉(源氏物語をテーマにした着物)
II にほひ しらみ (闇に匂いたつ光を表現した着物)
III かなた こなた (世界の物語や詩歌を織り込んだ着物)
IV をかし おと いろ (色と音を表現した着物)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
25
染織作家、随筆家の志村ふくみさんが自ら選んだお着物の代表作と近作を掲載しています。お着物もさることながら、その側に添えられた随筆に味わい深いものがあります。源氏物語や詩(リルケなど)を引きながら展開される「つむぎおり」の世界。ほんとうに尊い仕事をしている人だと思いました。2016/02/17
たけはる
3
図書館で。染織家・志村ふくみさんの織られた着物の写真たっぷり、ひとひらずつ解説つきで。もう、お着物も文章もため息がとまらないくらいうつくしい。自然とこうべを垂れたくなるような畏敬に満ちている。この方の著作を拝見すると、いつも凄まじく豊穣で気高い「色」の世界に浸らせてもらえます。終始うっとりし通しでした。2018/06/21