目次
Ｆｒｏｍひろしま
身にまとわれたものの相貌―石内都が撮す広島平和記念資料館の被爆品（サンドラ・Ｓ．フィリップス）
水色のワンピース（周防柳）
Ｆｒｏｍひろしま（石内都）
著者等紹介
石内都［イシウチミヤコ］
写真家。群馬県生まれ、横須賀育ち。新たな写真表現の可能性を提示し続けている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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あじ
49
生命を焼き殺し衣類を朽ち果たした放射能は、目で捉える事が出来ない。主を喪った衣類や物には微量ながらも放射能がしつこく残留し、光を放っているように私には見える。物言わぬ静物写真は、瀕死の状態であっても雄弁に訴えてくる。8月6日の戦時下の広島の日常を。耳をすませば街の喧騒が聞こえる。子供たちの笑い声や、逞しく地を踏む雑踏が。無形の放射能を有形の「物」で見せる、それが【Fromひろしま】。2008年刊行「ひろしま」を再編集した大型写真集です。二冊合わせてご覧下さい。2014/09/12
ちえ
39
2014年８月６日発行。作者は毎年広島平和記念資料館に行き、新しく寄贈された遺品を撮影しているという。写真は子供のワンピースや女性のスカート、制服が多く亡くなった我が子の物を大切に保管していた家族が今後のことを思い、寄贈しているのだろうかと思わされる。戦時中、子供のために他の布から作ったり可愛い刺繍をしたり、込められた愛情が伝わってくる。一つ一つの物が秘めてきた物語を語りかけてくるよう。周防柳さんの寄せた文章に心をえぐられ心を打たれる。2023/09/09
かおりんご
24
写真集。一つ一つの写真がとっても美しい分、その裏に潜む、かつての持ち主の人生やら思いやらを考えると、なんとも言えない気持ちになります。あの日の朝、お母さんはどんな思いでお弁当を作ったんだろう。戦時下で衣服までも規制された中、クルミボタンが素敵なワンピースは、どんな人が大切にしていたのだろう。いつもとはちょっと違った視点から見る原爆の惨劇。心を揺さぶられること請け合いです。2018/10/11
takakomama
8
去年読んだ「ひろしま」を再編集した大判の写真集。焼け焦げた遺品は、被爆の凄まじさを生々しく語っています。戦後何年経っても、体験者が亡くなってしまっても、伝えるべきことだと思います。世界中が平和でありますように・・・2022/08/30
とよぽん
3
今年は、戦後７０年。今までにない、とても大きな「節目」になる１年だと思います。写真家の石内さんは、横須賀に住んでいらっしゃったことが、ヒロシマに目を向けることにつながっていた、と「あとがき」に書かれていました。原爆の地に残された身の回りの品々の写真・・・物言わぬそれらの遺品が、確かに写真から語りかけてくるのです。時間と空間を超えてくる力が、この写真集にあるのです。2015/01/12
