目次
序 しむらのいろ
1 色
2 染織
3 織物の歴史と世界
4 一生の着物―誕生から旅立ちまで
5 都機工房の仕事暦
結 しむらのいろ―三代をとおして
著者等紹介
志村ふくみ[シムラフクミ]
滋賀県生まれ。染織作家、随筆家。31歳のとき母の指導で植物染料と紬糸による織物をはじめる。重要無形文化財保持者、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひめありす@灯れ松明の火
35
「京都西陣なごみ~」より。この三か月程、染めと織りについて勉強していてそのご縁もあって。お母さんが諦めた事を、ぽっと娘が戻ってきて成し遂げる。そのまた娘は母が届かなかった事を成し遂げる。表紙の様にだんだんと心も体も魂も受け継ぐべきものに染まっていく。なんとも数奇としか言いようのない運命だ。この後四代目が気になっている。精神と色にまつわる言葉達。この母子の様に私達にもアーキタイプとして染め付けられた色があるはずだ。地球全体の事を語る時の彼女の言葉は、何処か神様からの託宣を受け取る巫女の言葉のようにも思える。2018/06/23
ふう
25
10年前の刊行。ふくみ先生の他の本に比較して平易で分かりやすい。哲学的な話も入り口を解説してくださってるよう。藍建ての章で片野元彦先生の名が出てきて納得。豊田で見た片野先生の作品とふくみ先生の作品の繋がりを感じる。ふくみ先生、もっともっと長生きしてください。2023/11/04
双海(ふたみ)
11
次世代の染織をこころざす人たちへ。染めるということ、織るということ、色彩論の学び等々。志村さんのお仕事のエッセンスが一冊に。2023/11/22
宴
11
洗練された方で、非常に真摯に自然を見てらっしゃるな、という印象。言葉の一つ一つが胸を打つ。 この本、感想を書くのがとっても難しい。言葉なんかで説明できない。読んでてほっとしたというか、穏やかな気持ちになった。 手元に置いておきたい本。2014/08/19
ひみ
10
染織家・志村ふくみの随筆…になるのかな。表紙から美しい。「すべての色は自然のままでは生きられない。色として存続する限りは媒染という受苦を受けるのである。それはどこか人間の生きる姿に似ている。自然の中の四大元素〈地、水、火、風〉と、植物、動物、鉱物という存在にとって私たちは無量の色を得ることができる。それは天の恵みであり、私たちはそれらを拝受する思いで、糸に染め、織るのである。」だから着物は美しい。その一言に尽きる。2016/08/27