- ホーム
- > 和書
- > 芸術
- > 絵画・作品集
- > 絵画・作品集(日本)
内容説明
20世紀というモダン・エイジを象徴する2人のフランス人芸術家、バルビエとラブルール。彼等の作品との出会いは、まさに一目惚れ。あとは地獄の果てまでも…フランス文学者鹿島茂の膨大なコレクションを書き下ろし文章とともに紹介する第2弾。
目次
ジュルジュ・バルビエ(ファッション・プレート;挿絵本;広告と定期刊行物;舞台の衣装と原画)
ジャン=エミール・ラブルール(版画作品(1~25)
挿絵本
定期刊行物と著作)
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年、神奈川県横浜市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程修了。1991年『馬車が買いたい!』で91年度サントリー学芸賞、1996年『子供より古書が大事と思いたい』で第12回講談社エッセイ賞、1999年『愛書狂』で第2回ゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で第51回読売文学賞を受賞、他著作多数。共立女子大学教授を経て、2008年4月より明治大学国際日本学部教授。専門は19世紀フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
291
鹿島茂コレクション2はバルビエとラブルールである。2人はともにナントに生まれ、やがてパリのイラスト界を席巻する。鹿島茂は、この2人によって「突然に19世紀を終わらせ、20世紀をつくりだした」と評している。両者ともに現代においてさえそのままに通用しそうな斬新さである。一方、2人の画風は大いに違ってもいる。バルビエの優雅なる具象とラブルールの鮮やかな抽象といったところだろうか。あるいは、両者が補完しあうことによって、時代を一層に加速させたといえるかもしれない。2023/12/14
ヒロミ
38
バルビエについて書かれた本ではおそらく最も解説が充実した堅牢な本。図版も豊富。2018/02/06
アイアイ
15
上品なエロス、白を際立たせたモダンアートずっと眺めていたい。ロココから中東や中国のモチーフと幅広いモチーフを書きこなすバルビエ。 ラブルールの作品は昆虫学者が一番好きです。戦争がやっと終結したのに晩年は世界恐慌により全ての注文を取り消され失意のままに病で亡くなった二人の画家。 ▽図書館2017/03/06
ムフィー
12
沢野ひとしさんがラブルールの画集を大事にしていると知って、どんな画家なんだろうと借りてみる。この少し物悲しくシュールな味わいを醸し出す独特のタッチ、なるほど、味わい深い。挿絵画家として花開いていったラブルールの清潔なエロティシズムを堪能出来る。対比して組まれたバルビエの作風は描かれる衣装がファッショナブルで色彩感が美しい。物憂げに佇む女性の描写はなんとなく竹久夢二を思わせる。アールデコの時代を彩った二人の画家の傑作をじっくりと鑑賞できる見応えのあるコレクション本。2017/04/29
miaou_u
10
ポール・ヴァレリーに『イメージによる虚無の征服者』と言わしめた、バルビエのイラストレーション。やっぱり大好きだ。。鹿島さんの解説を食い入るように読んだ。海野弘さんのバルビエ本を所持しているが、鹿島さんコレクションはバルビエの生涯や彼を取り巻く環境、時代背景など、詳細に知ることが出来、ネット検索してもこれだけの数の作品を一挙に目には出来ない。一方のラブルールは、例えキュビスムの影響を受けていたとしても、どの作品を見ても古き良き時代のノスタルジーが香り立つ。コレットがあまり興味を示さなかった、というのは納得。2021/05/31