内容説明
「日本のプチ・ファーブル」熊田千佳慕が98年の生涯をかけて描いた生き物への愛にあふれる704点もの作品たちです。生き物の解説つきで見る楽しみ・知る楽しみ満載の豪華な“図鑑画集”です。
目次
ファーブル昆虫記の世界
日本の虫の世界
動物の世界
鳥の世界
野の花の世界
ファンタジーの世界
絵本の世界
著者等紹介
熊田千佳慕[クマダチカボ]
1911年(明治44年)横浜市生まれ。細密画家・童画家。東京美術学校(現・東京藝術大学)鋳造科在籍のまま、山名文夫に師事し日本工房にデザイナーとして入社。同僚の土門拳とポスターなどを数多く手がけた。その後、絵本の世界に進み、70歳で「ファーブル昆虫記」の作品がボローニャ国際絵本原画展に入選し、一躍脚光を浴びる。2009年8月、98歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
59
眼の保養、心の保養。クマチカ先生の作品集。「虫の言葉の分かった人」と慕うファーブル先生の昆虫記の世界。図鑑を通して子ども達と一緒に行きたいと願う昆虫や動物や草花の世界。「小さい人に捧げた仕事」だというファンタジー作品の世界。産業広告も手掛けたデザイナー時代の作品も少し。クマチカ先生の正確で細密なのになぜか背後に物語を感じる動植物画と小さなエッセイで構成された滋味あふれる画集。地面に腹ばい虫と同じ視線で世界を描く作画スタイルのせいで「行倒れ」と間違われた事、上着にスミレを刺す父上の事。飾らぬお話も楽しい♪2023/01/19
けんとまん1007
44
眼にするだけで、こころが豊かになる。絵自体の素晴らしさも当然ながら、クマチカ先生の描く対象への暖かな眼差しと、じっと細部に至るまで見つめる力を感じる。写真よりも、実物に近く本質を表しているように思う。生き物も植物も、今ある形・色は、意味があってのもの。進化のなせる技の結晶が詰まっている。2023/02/18
ぶんこ
37
眺めていると自分が多分優しい顔になっていると思える。少しずつ読んだのですが、どのページも、たとえ苦手な虫であっても微笑んでしまう。どうしてかなと思うと、とにかくクマチカ先生の絵が全部優しさに溢れているからと気づきました。特に目!今までは馬の目の優しさに魅了されていたのですが、馬と限定しなくても、生きとし生けるものに興味を持っていると優しい目に見えるのかもしれない。色調からも優しさが溢れています。クマチカ先生の家にふらっと立ち寄って、縁側でおしゃべりしたかったな。2023/02/21
たまきら
31
先生の目は、生物への愛と好奇心でいっぱい。先生の猫の絵は初めて!フンコロガシにワクワクしたこと。小学校のころ校庭でず~っとジガバチの仕事を見ていたこと。猫と、犬と、遊んでいて幸せだったこと。ふる~いおうち、豊かな緑。ぶ厚い本の中に子供のころから大好きなことがいっぱいつまっていて、眺めている間中幸せでした。印刷もサイズも素晴らしいです!2021/12/20
ラグエル
13
細かい精密さと、描いている息遣いが同時に伝わってくる絵。熊田千佳慕を知るにも最高の本でしょう。デザイナーとしてもすごかったんだね。2012/09/21
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