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内容説明
この作品集は、驚愕の世界を描き続け、31歳で急逝した彼の創作活動10年の軌跡である。
目次
飛べなくなった人
社長の傘の下
鯉の夢
みのむしの睡眠(第6回グラフィックアート『ひとつぼ展』グランプリ受賞)
めばえ
面接
燃料補給のような食事
ぐち
接触
離乳〔ほか〕
著者等紹介
石田徹也[イシダテツヤ]
1973年6月16日、静岡県焼津市生まれ。1984年小・中・高校生対象の公募「人権マンガ」(静岡地方法務局開催)で最優秀賞を受賞。小学1年から6年まで、毎年校内の絵を描く会で特選を受賞。1995年第6回グラフィックアート『ひとつぼ展』グランプリ受賞。毎日広告デザイン賞優秀賞受賞。1996年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。毎日広告デザイン賞奨励賞受賞。1997年JACA日本ビジュアル・アート展1997グランプリ受賞。1998年キリンコンテンポラリーアートアワード奨励賞受賞。2001年VOCA展2001奨励賞受賞。2005年5月23日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
哲学徒の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なる
36
石田徹也の作品を見るたびに言葉にならない不穏が生まれる。感情が欠落したような画風の中に、シリアス或いはカタストロフィな内面を感じるからかもしれない。結果的に夭折した氏は、そういったものを抱えながら作品を生み出し続けていたのかもしれない、なんて屈折した共感を感じてしまう。家畜人ヤプーを彷彿とさせるような、人体とそうでないものの融合。そこから個人的に読み取るのは、彼がこの世界に何も期待していなかったということ。抗おうとしていたかもしれない。死後になって彼の作品が世界規模で評価されるようになったのが遣る瀬ない。2022/02/28
Rie
31
2005年に31歳で夭折された石田徹也氏。先日、石田徹也展で観覧した作品も含まれていた。やはりじっくり魅入ってしまう。この世界に浸っていたくなるのは何故だろう。2015/12/25
紫綺
22
シュールだ!!すさまじい圧力を感じる。人と人以外のものとが融合したような奇妙な作品群。人の弱さを表しているようにもとれる。あまりにもリアルすぎて不気味ささえ感じてしまう。好き嫌いが大きく分かれそう。31歳、若すぎる才能に哀悼の意を捧げます。2010/12/25
Narr
19
人間の尊厳を問うならこの人。死や孤独や抑圧の理不尽さがモチーフとなってどの作品にも表出している。早くに他界されているが、作品とそのこととを結びたくなる気持ちに駆られるのは確かだ。彼の死をもって作品群はまだ新たな意味を持ちうるのか? そうして絶望や暗鬱で重苦しいイメージだけを語ってそれで終いでは作品は救われないと信じていたい。なぜなら彼の作品には沢山のユーモアで溢れているのもまた事実だからだ…。2020/07/20
Bartleby
18
カフカの『変身』を地で行くような作品集。やりきれない気持ちになってくる。人間が人間でなくなる過程がいろんなヴァリエーションで描かれている。毎日毎日同じことを繰り返すうちに環境が内面化すると同時に内面が環境化していく。お辞儀をしすぎて壁掛けフックになったり、コンビニで支払いをする男の両手がベルトコンベアになっていたり。男たちは弱ったなあという顔をしながら状況に甘んじている。時系列でみると、男たちの顔に、次第に怒りや悲しみや苦痛が滲み出してくるところが不穏で痛ましい。2023/04/26
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