内容説明
十五歳の少年ネイサンが語る、親友サイモンとの日々。筋ジストロフィーという病気で車椅子生活を送るサイモンは、強い個性とユーモアでクラスの人気者。しかし、サイモンの病気は死にいたる病。次第に衰えていく親友に対し、さまざまな思いが交錯し戸惑うネイサン。そんなネイサンも、考えなければならない問題や悩みを抱えていた。何があろうと人生はつづいていく。どんなに悲しいことがあっても、生きることはすばらしい。ニュージーランド発の青春小説。
著者等紹介
ヒル,デイヴィッド[ヒル,デイヴィッド][Hill,David]
1942年、ニュージーランド、ネイピア生まれ。現在、ニュープリマス在住。高校教師、運転手、軍人などの職を経て(イギリスに数年住んでいたときには、エリザベス女王の甥と姪に教えた経験あり)、1982年に作家になる。数多くの児童書およびYA向けの小説を出版し、いくつもの作品がニュージーランド・ポスト賞などの賞を獲得している。2005年、ニュージーランドで児童文学に貢献した人に贈られるマーガレット・マーヒー賞に選ばれた
田中亜希子[タナカアキコ]
千葉県生まれ。銀行勤務ののち翻訳業に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケイ
112
「See ya, Simon」原題のこの響き。胸を打つ。本著でこの言葉が出てくる少し前の「See ya, Nason」に呼応してる。高校生の二人。サイモンは筋ジストロフィーを患っている。それだけでネタバレもなく何となく想像出来るストーリーなのに、存在するしっかりとした何か。悲しい場面にいるのに、サイモンの綺麗なお姉さんが来てくれたみんなに挨拶のキスをしてくれたことにドキドキして嬉しいのが行間から漂ってきて、そんなところもすごく良かった2021/01/19
星落秋風五丈原
16
ALSながら自分の病気をギャグにしてしまうサイモン。2017/10/09
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
『授業で役立つブックトーク』 https://bookmeter.com/books/5540025 より備忘録。【その他 テーマ 少年少女の時(友だちって?)】あの子→あのときすきになったよ→仲間はずれなんて気にしない→僕らの事情。→みんなのノート 中学生の巻→ビッグTと呼んでくれ→はみだしインディアンのホントにホントの物語→オオカミ族の少年→もういっかい おしゃべりさん2020/08/07
ぽけっとももんが
7
15歳のネイサンの親友サイモンは、筋ジストロフィー。未来について語り、そのために勉強するクラスメイトに囲まれ、彼だけはカウントダウンの中にいる。不公平だ、理不尽だ。ネイサンの母親は、サイモンに腹を立てるのも怖いと思うのも自然なことだと話す。「人は喜びと悲しみを同時に感じることができるの」自分が病気でなくてよかったと思ってしまうサイモン。わたしなら、息子の親友が重い病にかかったら、なにか言ってやれるだろうか。BOOKMARKより。2020/07/11
MILKy
6
【売】緊急事態宣言以降20冊目。普段買う種でもない、かつハードカバーなこの本は身内より譲り受け。筋ジストロフィー(ALSとは違うのか、症状は同様)の病を持つ少年サイモンを友人に持つ彼ネイサンの爽やかだけでない青春の話。病気モノは苦手だけど、つらつらと苦しさが、また死への秒読みが綴られている種とは異なる。この病気は遺伝子レベルでの遺伝らしい。しかも病気として出るのは男児とか。血液の循環も悪くなるので冷やしてはいけないそう。胸や肩の筋肉も落ちてくから肺も機能が落ちてくる。サイモンの人柄からサラっと描かれる。2020/05/23