内容説明
『サワサワ』は棚田が風にさわぐ音。森や村やカミの音に耳をすましたフィールドワークのあと、いつもの東京は「音風景」にかわっていました。小さな音がきこえる耳にかわっていたのです。フォトグラファーのバリ風景と音楽学者の冒険小説。旅をすみかとする二人が「音」をテーマにコラボレーション。
著者等紹介
高橋ヨーコ[タカハシヨーコ]
フォトグラファー。世界の生活文化をフィールドワークするように撮影旅行を続けている。とくに旧ソ連や東欧へは、精力的に出かけ日常風景を記録している。その静謐な独自の写真表現は国内外で高い評価を受けている。現在、雑誌、広告、CDジャケットなどジャンルを問わず幅広く活躍
中川真[ナカガワシン]
サウンドスケープ、サウンドアート、東南アジアの民族音楽を主な研究領域とする音楽学者。現在、大阪市立大学大学院教授、インドネシア国立芸術大学客員教授。ガムラングループ「マルガ・サリ」を主宰し、国内外で公演を行っている。『平安京 音の宇宙』(平凡社)で、サントリー学芸賞、京都音楽賞、小泉文夫音楽賞を受賞。京都国際現代音楽フォーラムのディレクターとしての活動により、京都府文化賞受賞。2001年にはNHK人間講座「音のかなたへ 京都・アジア・ヨーロッパの音風景」の講師もつとめた
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感想・レビュー
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吉田あや
68
本の半分が写真、半分が小説で構成され、2つが合わさり循環することでその余韻と音の波紋が広がっていく「sawa sawa」。大好きな写真家・高橋ヨーコさんの写真が見たくて購入してから早17年、何度も繰り返し読んでは、その都度新たな呼吸に出会える。夏の終わりの少し切なくて、どうしようもなく愛おしい音を、目と耳で体感するような本書は毎回涙が止まらなくなる。先に読んだ「楽園のカンヴァス」から引っ張られるように再び開いた今回は、ルソーの「夢」のような、力強く濃密な緑の香りを感じた。2020/09/05
Yuki Snowy
0
楽しい写真集でした。2003/12/05
たまご
0
音。空気。神様。目に見えないもの。そんなものを擬似的に感じて想像させてくれるような本だった。 2021/09/23
ANE
0
本の半分が写真で、もう半分が小説。中川真さんは知らなかったけど、音の研究者という、ちょっと変わった人で、たくさんの音が、熱帯の町や森の中に。こんなふうに音が鮮やかに描かれる小説は珍しい・・・。音が溢れると、文章は花やかになり、ああ、旅がしたいな、と旅情が募ります。2018/05/03