目次
第1章 浙江大学蔵戦国楚簡『左伝』の釈文
第2章 『左伝』の研究史
第3章 偽簡説の検討
第4章 『春秋』及び『左伝』の成立事情
第5章 『左伝』の構造的寓意
第6章 浙江大楚簡『左伝』発見の意義
第7章 伝世本『左伝』の天文暦法データ再検証から見た浙江大『左伝』の有用性
第8章 浙江大戦国楚簡『玉勺』の書写年代
第9章 中国戦国時代文書文字考
著者等紹介
浅野裕一[アサノユウイチ]
1946年仙台市生まれ。東北大学名誉教授。中国哲学専攻
小沢賢二[オザワケンジ]
1956年群馬県生まれ。1979年3月明治学院大学社会学部社会学科卒業。群馬県立文書館古文書課主幹兼指導主事を経て、現在南京師範大学文学院客座教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
52
2013年。近年出土した戦国時代の『左伝』をめぐって、竹簡偽造説を退け、新たに文献に対する通説の見直しを迫る。炭素14による年代測定、墨跡の比較、『左伝』伝世本の研究史、天文記事の古天文学からの推算、「科斗文字」の正体など、内容は多岐にわたる。実物がカラー口絵で紹介されていて、秦の文字統一以前の古文が一挙出現、という壮観さだが、これがほぼ完全に解読できて(文字の研究者なら)、伝世本とも比較できるのだから驚く。興味深いのは木星をめぐる古天文学、そして用語だけで正体不明だった科斗文字の謎を解明してくれた点だ。2020/08/29
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