目次
1 林羅山の「文」の意識(「読書」と「文」;藤原惺窩『文章達徳綱領』の構成とその引用書―『文章欧冶』等を中心に ほか)
2 林羅山の朱子学―『大学諺解』『性理字義諺解』(『大学諺解』の述作の方法と姿勢;『性理字義諺解』の述作の方法と姿勢 ほか)
3 日本漢学諸論(桂菴玄樹の四書学と『四書詳説』;江戸時代の訓法と現代の訓法 ほか)
4 先学の風景―人と墓(藤原惺窩;吉田素庵 ほか)
著者等紹介
大島晃[オオシマアキラ]
昭和21年(1946)、栃木県に生まれる。昭和45年(1970)、東京教育大学文学部漢文学専攻卒業。同51年(1976)、東京大学大学院人文科学研究科中国哲学専門課程博士課程修了の後、東京大学文学部助手を経て、同54年(1979)、上智大学文学部国文学科専任講師に着任。以後、定年退職に到るまで同大学において教育・研究、大学行政に従事し、学生部長・文学部長等の要職を勤める。その傍ら漢文学研究会を主宰して平成10年(1998)から研究誌『漢文學 解釋與研究』を第12輯まで刊行。同24年(2012)、上智大学を定年退職と同時に名誉教授号を授与される。その後、東京国際大学教授、二松学舎大学特任教授を勤めるも、同27年(2015)病気のため死去。享年69歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きさらぎ
6
論文をまとめませんか、と言われて十年以上、様々にお世話になった人たちに報いたいとの思いでようやくまとめられた本書は、あとがきが未完のままに著者が69歳で病没されたという。『日本漢学研究』という書名が端的に内容を表す。惺窩、羅山、尺五、絅斎ら、漢学、とりわけ朱子学に真摯に取り組んだ人々を丁寧に論じる。長年の研究・読書に培われた「厚み」にはとても歯が立たず、表面を撫でるのみだったが、非常に読み応えのある刺激的な1冊であった。先達の墓参の記録が心に沁みる。もう少し勉強して、いつかもう一度取り組みたいと思う。2018/10/11