感想・レビュー
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電羊齋
2
清初(主にホンタイジ時代)の対モンゴル政策の検討を通じ、清という国家の政権構想、在り方を論じている。著者は、ホンタイジの外交・婚姻によるモンゴル諸部取り込みの背景にはマンジュ国(清)ハンとしての姿、八旗の権力分散的情況を勝ち抜こうとする両黄旗王としての姿があったとする。特に興味深いのは、ホンタイジがモンゴル諸部に対する出兵要請・兵力動員の機会を利用し、彼らに八旗と同一の行動を取らせ、同一の軍規を守らせることで、清による法支配を浸透させたという指摘。日本の戦国大名・江戸幕府のやり方に相通じる所があり面白い。2014/08/15