出版社内容情報
「赤いリンゴ」を思い浮かべようとしても暗闇が広がる--いま目の前にないものを心の中でイメージできない一方,実際の視覚機能には問題がないアファンタジア。本書は著者をはじめ,世界中の当事者の実体験を多数収録。何が得意で,何に困難を抱えているのかを明らかにし,読者を認知や心像の多様性を知る旅に誘う。
内容説明
過去の体験や見た光景をイメージしようとしても暗闇が広がるアファンタジア。当事者の声を多数収録し、日常生活で無意識のうちに使っている感覚・知覚・認知の奥深さ、多様性を知るきっかけを与える。
目次
第1章 アファンタジアとは何か?
第2章 アファンタジアを他者に説明する
第3章 子どもの頃
第4章 想像力
第5章 視覚イメージ
第6章 睡眠と夢見
第7章 記憶
第8章 アファンタジアと共に生きる―仕事と家庭
第9章 アファンタジアのマイナス面
第10章 アファンタジアのプラス面
著者等紹介
ケンドル,アラン[ケンドル,アラン] [Kendle,Alan]
自動車業界でエンジニアとして従事。なぜフィクションはうまく読めないのにエンジニアリングの学位は取得できたのかその理由を探そうとしていたところ、2016年10月、BBCのラジオ番組をきっかけに「Aphantasia」という言葉を知る。それが自身に当てはまると気づいたが、一般的にはそれがどんな状態かほとんど知られていないように思われた。当初、アファンタジアについて自分のために自身の経験を記録しようと決めていた。やがて、自身の個人的な洞察を説明して共有するために本を書く必要があると考え『アファンタジア―イメージのない世界で生きる』の出版に至る。2020年に病により他界
〓橋純一[タカハシジュンイチ]
東北大学大学院文学研究科博士後期課程修了、現在、福島大学人間発達文化学類准教授。アファンタジアがどの程度の割合で存在し、どのようなサブタイプが含まれるのかについて調査研究を展開している。また当事者の困り感や得意な能力に関しての事例研究を行うことで、目には見えにくい「知覚」や「認知」、「心像」の多様性について社会における理解促進を目指している
行場次朗[ギョウバジロウ]
東北大学大学院文学研究科博士課程後期心理学専攻修了後、信州大学人文学部助教授、九州大学文学部助教授、東北大学大学院文学研究科教授を経て、尚絅学院大学心理部門特任教授。東北大学名誉教授。研究テーマは、補完知覚にかかわる錯視、視覚・聴覚・触覚などのマルチモーダル現象。文字認識やパターン認識、物体や顔の認知、迫真性や臨場感などの感性心理学、身体感覚や動作が認知や感情に及ぼす影響、言語認知など、幅広く共同研究を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
はとむぎ
りぃ
なつめ
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